[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

TOP(最近の更新)

最近の更新

2024.02.29
2024年(令和6年)東京大学-数学(文科)

2024.02.28
2024年(令和6年)東京大学-数学(理科)

2024.02.24
1970年(昭和45年)東京大学-数学(理科)
1970年(昭和45年)東京大学-数学(文科)

2024.02.23
1968年(昭和43年)東京大学-数学(理科)
1968年(昭和43年)東京大学-数学(文科)

2024.02.22
2020年(令和2年)東京大学前期-数学(理科) (日付変更,レイアウト変更)
2020年(令和2年)東京大学前期-数学(文科) (日付変更,レイアウト変更)
(見易いように理科(1/1〜1/7),文科(1/8〜1/12)と日付を変更した)

2024.02.20
2024年(令和6年)防衛医科大学-数学[1](択一) (問題文確定)
2024年(令和6年)防衛医科大学-数学[2](択一) (問題文確定)
2024年(令和6年)防衛医科大学-数学[3](択一) (問題文確定)
2024年(令和6年)防衛医科大学-数学[4](数字) (問題文確定)
2024年(令和6年)防衛医科大学-数学[5](数字) (問題文確定)
2024年(令和6年)防衛医科大学-数学[6](数字) (問題文確定)
2024年(令和6年)防衛医科大学-数学[7](記述) (問題文確定)
2019年(平成31年)東京大学前期-数学(理科) (レイアウト変更)
2019年(平成31年)東京大学前期-数学(文科) (レイアウト変更)

2024.02.19
2005年(平成17年)東京大学前期-数学(文科) ([1]の解答,レイアウト変更)
2006年(平成18年)東京大学前期-数学(理科) (レイアウト変更)
2006年(平成18年)東京大学前期-数学(文科) (レイアウト変更)
2007年(平成19年)東京大学前期-数学(理科) (レイアウト変更)
2007年(平成19年)東京大学前期-数学(文科) (レイアウト変更)

2024.02.18
2003年(平成15年)東京大学前期-数学(理科) ([1]の解答,レイアウト変更)
2003年(平成15年)東京大学前期-数学(文科) ([1]の解答,レイアウト変更)
2003年(平成15年)東京大学後期-数学 (レイアウト変更)
2004年(平成16年)東京大学前期-数学(理科) (レイアウト変更)
2004年(平成16年)東京大学前期-数学(文科) (レイアウト変更)
2005年(平成17年)東京大学前期-数学(理科) ([4][5]の解答,レイアウト変更)

2024.02.17
2024年(令和6年)早稲田大学理工学部-数学[1]
2024年(令和6年)早稲田大学理工学部-数学[2]
2024年(令和6年)早稲田大学理工学部-数学[3]
2024年(令和6年)早稲田大学理工学部-数学[4]
2024年(令和6年)早稲田大学理工学部-数学[5]

2024.02.13
2002年(平成14年)東京大学前期-数学(理科) (レイアウト変更)
2002年(平成14年)東京大学前期-数学(文科) (レイアウト変更)
2002年(平成14年)東京大学後期-数学 (レイアウト変更)

2024.02.12
2000年(平成12年)東京大学前期-数学(理科) (レイアウト変更)
2000年(平成12年)東京大学前期-数学(文科) (レイアウト変更)
2000年(平成12年)東京大学後期-数学 (問題のみ)
2001年(平成13年)東京大学前期-数学(理科) (レイアウト変更,[3]の解説)
2001年(平成13年)東京大学前期-数学(文科) (レイアウト変更)
2001年(平成13年)東京大学後期-数学 (問題のみ)

2024.02.11
1999年(平成11年)東京大学前期-数学(理科) (レイアウト変更)
1999年(平成11年)東京大学前期-数学(文科) (レイアウト変更)
1999年(平成11年)東京大学後期-数学 (問題のみ)

2024.02.08
1998年(平成10年)東京大学後期-数学 (問題のみ)

2024.02.07
1998年(平成10年)東京大学前期-数学(理科) (レイアウト変更)
1998年(平成10年)東京大学前期-数学(文科) (レイアウト変更)

2024.01.20
「2022.05.26」の
早稲田大学の過去問らしい
の正確な出典が「1999年(平成11年)早稲田大学理工学部-数学[5]」とわかったので
近日中に URL 変更し,1999年に移動する予定

2023年(令和5年)2016年(令和28年)滋賀医科大学-数学[2]
(URLはそのうち変更)

2023年(令和5年)東海大学医学部一日目-数学[1](5)
(URLはそのうち変更)

1888年(明治21年)帝國大學工科大學(東大工学部の前身)-數學
(そのうち 1888年に移動)

1888年(明治21年)農林學校簡易科獸醫科-數學
(そのうち 1888年に移動)

1889年(明治22年)帝國大學理科大學簡易科講習科-幾何學
(そのうち 1889年に移動)

のんびり更新しているけど、まぁ需要がなさそうなので気にしない。

URL 変更について - [別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大数学進捗 - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
問題一覧へのリンクを作成した年度( と表示)は適用済み。
(東大が終了したら他大学の URL も変更予定)

東大の問題を現時点で省略しているものは、
大学入試数学問題集成
【大学入試】旧帝大(東大、京大、北大、東北大、名大、阪大、九大)+東工大 数学入試問題過去問 63年分 (一部解答例付き)
東京大学 数学入試問題72年 [1949~2020年入試全問題](全問題と書きながら1967年旧課程の問題は記載洩れ)
東大入試詳解25年 数学<理科>第2版-2019~1995 (東大入試詳解シリーズ)
東大入試詳解25年 数学<文科>第2版-2019~1995 (東大入試詳解シリーズ)
東大・入試数学50年の軌跡【1971年~2020年】 (大学への数学)
鉄緑会 東大数学問題集 資料・問題篇/解答篇 1981-2020〔40年分〕

旺文社,全国主要大学入試問題正解,昭和27年度(国立国会図書館の個人送信)
旺文社,全国主要大学入試問題正解,昭和28年度(国立国会図書館の個人送信)
旺文社,全国主要大学入試問題正解,昭和29年度(国立国会図書館の個人送信)
旺文社,全国主要大学入試問題正解,昭和30年度(国立国会図書館の個人送信)
あたりで確認していただければ。

やり残していること

(1)下書きで放置した記事の整理
(2) 2022年の記事の URL 変更
(3) 1949年〜1954年,1959年新旧,1970年,2011年文系[1],2018年理系[6],2021年〜2023年の東大前期入試の整理
(4) 旧制の東大入試の整理
(5) 図を真面目に描く
(6) 東大後期入試の整理
(7) 東大総合科目の整理
(8) 2023年の九大東工大などを解く
(9) 2024年の東大京大阪大九大東工大などを解く

2024年(令和6年)九州大学前期-数学III[5]

2024.03.25記

[1] 自然数 mn に対して
I(m,n)=\displaystyle\int_1^e x^m e^x (\log x)^n\, dx
とする.以下の問いに応えよ.

(1) I(m+1,n+1)I(m,n+1)I(m,n)mn を用いて表せ.

(2) すべての自然数 m に対して,\displaystyle\lim_{n\to\infty} I(m,n)=0 が成り立つことを示せ.

2024.03.25記(2024/03/25/231430)

[解答]
(1) I(m+1,n+1)=\Bigl[ e^x x^{m+1}(\log x)^{n+1}\Bigr]_1^e
-\displaystyle\int_1^e e^x\left\{(m+1)x^m(\log x)^{n+1}+(n+1)x^m(\log x)^{n}\cdot\dfrac{1}{x} \right\}dx=e^{e+m+1}-(m+1)I(m+1,n+1)-(n+1)I(m,n)
が成立する.

(2) 1\lt x\lt e
e^x x^{m+1}(\log x)^{n+1}\gt 0
より,任意の自然数 mn に対して
I(m,n)\gt 0
であり,(1) より
I(m+1,n+1)+(m+1)I(m+1,n+1)+(n+1)I(m,n)=e^{e+m+1}\gt 0
であるから,
0\lt I(m,n)\lt\dfrac{e^{e+m+1}}{n+1}
が成立する,n\to\infty
\dfrac{e^{e+m+1}}{n+1}\to 0
であるから,はさみうちの原理により
\displaystyle\lim_{n\to\infty} I(m,n)=0
が任意の自然数 m について成立する.

2024年(令和6年)九州大学前期-数学III[4]

2024.03.25記

[4] n3 以上の整数とする.座標平面上の点のうち,x 座標と y 座標がともに 1 以上 3 以下の整数であるものを考える.これら n^2 個の点のうち 3 点以上を通る直線の個数を L(n) とする.以下の問いに答えよ.

(1) L(3) を求めよ.

(2) L(4) を求めよ.

(3) L(5) を求めよ.

本問のテーマ
(一般化すると)Farey 数列(の話ができる)

2024.03.25記(2024/03/25/110831)
考えるな,数えろ.

[解答]
(1) 水平3本,垂直3本,ななめ45度2本の合計8本で L(3)=8

(2) 水平4本,垂直4本,ななめ45度6本の合計14本で L(4)=14

(3) 水平5本,垂直5本,ななめ45度10本,傾き1/2 または 2 が12本で L(4)=32

きっと誰かがどこかで,一般の n についての個数に関する記事を書くに違いない.

例えば,n=9,10 のとき,直線の傾きとして考えるものは
0,\dfrac{1}{4},\dfrac{1}{3},\dfrac{1}{2},\dfrac{2}{3},\dfrac{3}{4},1
とその逆数の13種類について考える.2m+1,2m+2 で登場する傾きは

Farey数列 F_m とその逆数となる.
ファレイ数列 - Wikipedia

2024年(令和6年)九州大学前期-数学III[3]

2024.03.25記

[3] 以下の問いに答えよ.

(1) 自然数aba\lt b をみたすとき,\dfrac{b!}{a!}\geqq b が成り立つことを示せ.

(2) 2\cdot a!=b! をみたす自然数の組 (a,b) をすべて求めよ.

(3) a!+b!=2\cdot c! をみたす自然数の組 (a,b,c) をすべて求めよ.

2024.03.25記(2024/03/25/103641)

[解答]
(1) a\leqq b-1 であるから,\dfrac{b!}{a!}\geqq \dfrac{b!}{(b-1)!}=b である.

(2) 自然数の階乗は正の値をとり,2\cdot a!=b! より b\gt a(\geqq 1) だから,(1) より
2=\dfrac{b!}{a!}\geqq b\gt 1
となり,b=2a=1となる.よって (a,b)=(1,2) のみである.

(3) (i) a=b の場合:2\cdot a!= 2\cdot c! により a=c となり
(a,b,c)=(n,n,n)nは任意の自然数

(ii)
a\lt b の場合:2\cdot a!\lt a!+b!\lt 2\cdot b! であるから
2\cdot a!\lt c!\lt 2\cdot b!
が成立する.よって(1)と c\leqq \dfrac{c!}{b!} \lt 2 となるので c=1 となり
2\cdot a!\lt 1
なる自然数 a は存在しない.

a\lt b の場合:同様に存在しない。

以上から,
(a,b,c)=(n,n,n)nは任意の自然数

2024年(令和6年)九州大学前期-数学III[2]

2024.03.25記

[2] 整式 f(z)=z^6+z^4+z^2+1 について,以下の問いに答えよ.

(1) f(z)=0 をみたすすべての複素数 z に対して,|z|=1 が成り立つことを示せ.

(2) 次の条件をみたす複素数 w をすべて求めよ.

条件:f(z)=0 をみたすすべての複素数 z に対して f(wz)=0 が成り立つ.

2024.03.25記(2024/03/25/100133)

[解答]
(1) f(z)=0 ならば (z^2-1)f(z)=z^8-1=0 が成り立つので |z|=1 が成り立つ.

(2) f(z)=0 の解は z=\cos\theta+i\sin\theta とおくと,(1)より 8\theta2\pi の整数倍で z\neq \pm1 であるから,
\theta=\dfrac{k}{4}\pik=1,2,3,5,6,7
の6つである.この6個の複素数を同じ6個の複素数に移すような原点中心の回転拡大は,正8角形の連続する3つの頂点がどこに移るかを考えれば恒等変換か180度回転に限ることがわかるので w=1,-1 の2つである.

2024年(令和6年)九州大学前期-数学III[1]

2024.03.25記

[1] a を実数とし,座標空間内の 3\mbox{P}(-1,1,-1)\mbox{Q}(1,1,1)\mbox{P}(a,a^2,a^3) を考える.以下の問いに答えよ.

(1) a\neq 1a\neq -1 のとき,3\rm P\rm Q\rm R は一直線上にないことを示せ.

(2) a-1\lt a\lt 1 の範囲を動くとき,三角形 \rm PQR の面積の最大値を求めよ.

2024.03.25記(2024/03/25/230421)

[解答]
\overrightarrow{\mbox{PQ}}=(2,0,2)^{\top}\overrightarrow{\mbox{PR}}=(a+1,a^2-1,a^3+1)^{\top} であるから,
\overrightarrow{\mbox{PR}}\times \overrightarrow{\mbox{PQ}}=2(a^2-1)(1,a,-1)^{\top}
となる.よって
\triangle\rm PQR=\dfrac{1}{2}|\overrightarrow{\mbox{PR}}\times\overrightarrow{\mbox{PQ}}|=|a^2-1|\sqrt{2+a^2}
が成立する.

(1) \mbox{P}\mbox{Q}\mbox{R} が同一直線上にあることと \triangle\rm PQR=0 は同値であり,それは a^2\neq 1 と同値である.よって題意は示された.

(2) \triangle\rm PQR^2=(a^2-1)^2(a^2+2)a^2 についての3次関数であり,3次関数の形状から 0\leqq a^2\lt 1 において a^2=0 のときに最大値 2 をとる.よって \triangle\rm PQR の最大値は \sqrt{2} である.