[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2021年(令和3年)東京大学-数学(理科)

[問題]

[1]
a,b を実数とする.座標平面上の放物線 C:y=x^2+ax+b は放物線 y=−x^22 つの共有点をもち,一方の共有点の x 座標は −1\lt x\lt 0 を満たし,他方の共有点の x 座標は 0\lt x\lt 1 を満たす.

(1)点 (a,b) のとりうる範囲を座標平面上に図示せよ.

(2)放物線 C の通りうる範囲を座標平面上に図示せよ.

[2]
複素数 a,b,c に対して整式 f(z)=az^2+bz+c を考える.i虚数単位とする.

(1)\alpha,\beta,\gamma複素数とする.f(0)=\alpha,f(1)=\beta,f(i)=\gamma が成り立つとき,a,b,c をそれぞれ \alpha,\beta,\gamma で表せ.

(2)f(0),f(1),f(i) がいずれも 1 以上 2 以下の実数であるとき,f(2) のとりうる範囲を複素数平面上に図示せよ.

[3]
関数 f(x)=\dfrac{x}{x^2+3} に対して,y=f(x) のグラフを C とする.点 {\rm A}(1,f(1)) における C の接線を \ell:y=g(x) とする.

(1)C\ell の共有点で \rm A と異なるものがただ 1 つ存在することを示し, その点の x 座標を求めよ.

(2)(1)で求めた共有点の x 座標を \alpha とする. 定積分 \displaystyle\int_{\alpha}^1 \{f(x)−g(x)\}^2\, dx を計算せよ.

[4]
以下の問いに答えよ.

(1)正の奇数 K,L と正の整数 A,BKA=LB を満たしているとする.K4 で割ったあまりが L4 で割った余りと等しいならば,A4 で割った余りは B4 で割った余りと等しいことを示せ.

(2)正の整数 a,ba\lt b を満たしているとする.このとき, A={}_{4a+1}\mbox{C}_{4b+1},B={}_a\mbox{C}_b に対して KA=LB となるような正の奇数 K,L が存在することを示せ.

(3)a,b は(2)の通りとし,さらに a−b2 で割り切れるとする.{}_{4a+1}\mbox{C}_{4b+1}4 で割ったあまりは {}_a\mbox{C}_b4 で割った余りと等しいことを示せ.

(4){}_{2017}\mbox{C}_{37}4 で割った余りを求めよ.

[5]
\alpha を正の実数とする.0\leqq\theta\leqq\pi における \theta の関数 f(\theta) を,座標平面上の 2{\rm A}(−\alpha,−3){\rm P}(\theta+\sin\theta,\cos\theta) 間の距離 {\rm AP}2 乗として定める.

(1) 0\lt\theta\lt\pi の範囲に f′(\theta) となる \theta がただ1つ存在することを示せ.

(2) 以下が成り立つような \alpha の範囲を求めよ.

0\leqq\theta\leqq\pi における \theta の関数 f(\theta) は,区間 0\lt\theta\lt\dfrac{\pi}{2} のある点において最大になる.

[6]
定数 b,c,p,q,r に対し,x^4+bx+c=(x^2+px+q)(x^2−px+r)x についての恒等式であるとする.

(1)p\neq 0 であるとき,q,rp,b で表せ.

(2)p\neq 0 とする.b,c が定数 a を用いて
b=(a^2+1)(a+2),c=−\Bigl(a+\dfrac{3}{4}\Bigr)(a^2+1)
と表されているとき,有理数を係数とするt についての整式 f(t)g(t)
\{p^2−(a^2+1)\} \{p^4+f(a)p^2+g(a)\}=0
を満たすものを 1 組求めよ.

(3) a を整数とする.x4 次式
x^4+(a^2+1)(a+2)x^2−\Bigl(a+\dfrac{3}{4}\Bigr)(a^2+1)
有理数を係数とする 2 次式の積に因数分解できるような a をすべて求めよ.


2021年(令和3年)東京大学-数学(理科)[1]
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