[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1920年(大正9年)東京帝國大學理學部(化學科)物理及化學

[1] 17gr の硝酸銀を 100c.c の水に溶解し之に或る濃さのシアン化カリウム溶液を注加し行きしに初めは白色の沈殿を生じたるがシアン化カリウム液の量の増加するに従ひ此の沈殿は現象し遂に其の100c.c.を加へたるとき沈殿恰も消失せりと云ふ。此のシアン化カリウム溶液 1 litle 中にシアン化カリウム幾 gram を含むべきか。
但し \mbox{Ag}=108\mbox{K}=89.1 とす。

[2] 次の反應式を完結し其参加還元の關係を説明せよ。
\mbox{N}_2\mbox{O}_4+\mbox{H}_2\mbox{O}=

[3] \mbox{C}_3\mbox{H}_5\mbox{N} なる分子式に相當する凡ての構造式を列記し其學名を附記せよ。

[4] 圖省略
直經一寸の球、第一。
一稜一寸の正立方體、第二。
一稜一寸の正四面體、第三。

上圖の如き樟腦あり一定温度の流通せる空気中に吊し置くと次第に其の大さを減す而して三十日の後に第一は直經五分の球となる。此時に於ける第二及び第三の概略の形及び大さを圖示せよ。又第一の全く消失するは幾日の後なるか。


[5] 圖の如き甚大なる平行の二電極あり、其距離 S にして電位差 E なりとす。此電場内に V なる速度を以て電場と直角に飛入りたる電子の進行の有樣を數式にて表はせ。