[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

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最近の更新 (2026.10.12)

2026.10.12
2018年(平成30年)埼玉大学前期-数学(文系)[1]

2026.10.09
1971年(昭和46年)京都大学-数学(文系)

2026.10.07
1971年(昭和46年)京都大学-数学(理系)

2026.08.16
2018年(平成30年)九州大学前期-数学III[5]

2026.08.02
1972年(昭和47年)京都大学-数学(理系)
1972年(昭和47年)京都大学-数学(文系)

2026.08.01
2011年(平成23年)東京大学後期-総合科目II[1]B (補足)

2026.07.26
2023年(令和5年)九州大学前期-数学III[1]

2026.07.17
1973年(昭和48年)京都大学-数学(文系)

2026.07.14
1973年(昭和48年)京都大学-数学(理系)

2026.07.13
2000年(平成12年)東京大学前期-数学(理科)[6] (通常の[解答]追加)

2026.07.07
2005年(平成17年)京都大学前期-数学(文系)[4] ([別解2][うまい解法])

2026.06.27
1974年(昭和49年)京都大学-数学(文系)

2026.05.31
2002年(平成14年)広島大学-数学(理系)[6]
1974年(昭和49年)京都大学-数学(理系)

2026.05.25
1975年(昭和50年)京都大学-数学(文系)

2026.04.21
1975年(昭和50年)京都大学-数学(理系)

2026.04.19
1978年(昭和53年)静岡大学-数学(教育学部(数学専攻)・農学部)[6]

2026.04.17
1968年(昭和43年)京都大学-数学(文系)
1993年(平成5年)岡山大学-数学(代数幾何・基礎解析)[2] (出典の更新)
1998年(平成10年)お茶の水女子大学数学理学(数学)部-後期[1] (出典の更新)
1978年(昭和53年)千葉大学教育(中学-音楽・美術・保体)学部-数学[2] (出典の更新)
1980年(昭和55年)九州工業大学-数学[3](2) (出典の更新)
1988年(昭和63年)札幌医科大学-数学[4] (出典の更新)
1985年(昭和60年)熊本大学教育学部(音楽・美術・保体を除く)-数学[2] (出典の更新)
1982年(昭和57年)早稲田大学教育学部-数学[2] (出典の更新)
1978年(昭和53年)静岡大学-数学(理・工学部)[2] (出典の更新)
2006年(平成18年)山形大学前期-数学(医学部)[2](1) (出典の更新)

2026.04.16
1968年(昭和43年)京都大学-数学(理系)

2026.04.14
1969年(昭和44年)京都大学-数学(文系)

2026.04.13
1969年(昭和44年)京都大学-数学(理系)

2026.04.12
1970年(昭和45年)京都大学-数学(文系)

2026.04.11
1970年(昭和45年)京都大学-数学(理系)

2026.04.08
1980年(昭和55年)お茶の水大学理学部-数学[1]

■ 2026年(令和8年)立命館大学全学統一(2月3日)-数学[4]
(URLはそのうち変更)

やり残りしていること

出典等 - [別館]球面倶楽部零八式markIISR(2025.11.23)


本館(クソブログ)へのリンク
球面倶楽部 零八式 mark II

1977年(昭和52年)京都大学-数学(理系)[6]

2026.10.13.15:15:30記

[6] a は正の定数であり,2 つの関数 f(x),g(x) は次の 4 条件(1)〜(4)をみたしている.

(ここに f'(x)=\dfrac{df(x)}{dx},g'(x)=\dfrac{dg(x)}{dx} )

(1) f'(x)=-g(x)

(2) g'(x) \geqq f(x)(すべての x の値について)

(3) g(0)=0

(4) 0 \leqq x \leqq a ならば f(x)\gt 0

このとき,次の(i),(ii)を示せ.

(i) g(a)\gt 0

(ii) a \leqq y \leqq a+\dfrac{f(a)}{g(a)},f(y)=0 をみたす実数 y がある.

本問のテーマ
Newton 法

2026.10.16.記
あまり意識する人はいない気もしますが,f(x),g(x) の連続性については,(2)よりすべての x で g'(x) の存在を前提としているので g(x) は全実数で連続で微分可能です.よって(1)よりすべての x で f'(x) が存在するので f(x) も全実数で連続で微分可能です.この連続性や微分可能性を明らかにして良いかどうかは迷います.

さて,本問では f(x),g(x) が混在していますが,これを f(x) だけで表すと次のようになります.

[6] a は正の定数であり,関数 f(x) は次の 4 条件(2)〜(4)をみたしている.

(2) f''(x) \leqq -f(x)(すべての x の値について)

(3) f'(0)=0

(4) 0 \leqq x \leqq a ならば f(x)\gt 0

このとき,次の(i),(ii)を示せ.

(i) f'(a)\lt 0

(ii) a \leqq y \leqq a-\dfrac{f(a)}{f'(a)},f(y)=0 をみたす実数 y がある.

このように書くと Newton 法が見えてくるでしょう.なお,(2)(4)から f(x) は 0\leqq x\leqq a において上に凸であることがわかりますが,x\gt a で f(x) は上に凸となるでしょうか?実は(2)から f(x) が正である範囲においては f(x) が上に凸となることがわかります.

[解答]
(i) (2)(4)により 0\leqq x\leqq a で g'(x)\gt 0 であり,これと(3)から g(a)\gt 0 となる.

(ii) a+\dfrac{f(a)}{g(a)}=a-\dfrac{f(a)}{f'(a)}=b とおく.

(2)より,すべての x で g'(x) が存在するので g(x) は全実数で連続で微分可能である.よって(1)よりすべての x で f'(x) が存在するので f(x) も全実数で連続で微分可能となる.

題意を満たす y が存在しないと仮定すると f(x) の連続性により

「a \leqq y \leqq b において f(x)\gt 0」

が成立する.よって(1)(2)によりa \leqq y \leqq b において f''(x)=-g'(x)\leqq -f(x)\lt 0 が成立し,この範囲で f'(x) は単調減少であり,この範囲で平均値の定理を適用すると x と a の間の実数 c を用いて f(x)-f(a)=f'(c)(x-a)\leqq f'(a)(x-a),つまり
0\lt f(x)\leqq f'(a)(x-a)+f(a)
が成立する.

このとき 0\lt f(b)\leqq f'(a)(b-a)+f(a)=0 となり矛盾する.よって a \leqq y \leqq b において f(x)\leqq 0 となる実数 d が存在し,f(a)\gt 0(∵(4))と中間値の定理から a \leqq y \leqq d(\leqq b)かつ f(y)=0 となる実数 y が存在する.

1977年(昭和52年)京都大学-数学(理系)[5]

2026.10.13.15:15:30記

[5] (i) 底辺の長さ a が一定で,他の 2 辺の和 m も一定(m\gt a)であるような三角形のうち,面積最大のものは,二等辺三角形であることを示せ.

(ii) 周囲の長さが一定な四辺形のうち,面積最大のものは正方形であることを示せ.

本問のテーマ
Bretschneider の公式(2026.10.17)
Brahmagupta の公式(2026.10.17)

2026.10.16.記
(ii)で(i)を適用する際に「(i)を繰り返し用いるとやがて正方形になる」というような議論は「無限回」の操作が必要となってしまうので適切ではありません.有限回の操作で正方形となるように操作を行うことを考えます.また「面積が減らない変形によって正方形に変形することができる」という議論(例えば東京出版の「京大51年」)は,おそらく減点はされていないと思いますが,「面積が最大のものは正方形である」という問題文を「面積が最大ならば正方形である」と考えれば,この「すべての四辺形は面積を減らすことなく正方形に変形することができる」という議論は「最大の面積を与えるものは正方形に限る」ことを示していないので,厳しい人からすると論理が甘いと判定されてしまいます.

[解答]
(i) 底辺をなす頂点の座標を (\pm a/2,0) とおくと,残りの頂点はこの2点を焦点とする楕円上(から長軸上の 2 つの頂点を除いたもの)を動くので,面積が最大のものは x 軸から最も遠い点となる,楕円の短軸上の 2 つの頂点となる場合に限り,このとき二等辺三角形となる.

(ii) 周の長さが 4s となる任意の4辺形(辺の長さをつながっている順番に a,b,c,d とする.

(a) このとき a+b+c+d=4s)において,(i)を前の2辺,後ろの2辺に適用すると,辺の長さをつながっている順番に \dfrac{a+b}{2},\dfrac{a+b}{2},\dfrac{c+d}{2},\dfrac{c+d}{2} となる四辺形(凧型)に変形でき,面積は減らない.

(b) 次に(i)を最初と最後の2辺,真ん中の2辺に適用すると,辺の長さをつながっている順番に s,s,s,s となる四辺形(菱形)に変形でき,面積は減らない.

(c) この菱形の内角を \theta,\pi-\theta とすると,菱形の面積は s^2\sin\theta となり,これは \theta=\dfrac{\pi}{2} のときに最大となり,この最大値 s^2 を与えるのは正方形に限る.

以上から,周の長さが 4s となる任意の4辺形の面積は一辺の長さが s の正方形の面積以下となり,正方形でなければ面積はそれよりも小さくなる.

以上から周囲の長さが一定な四辺形のうち,面積最大のものは正方形に限る.

(a)(b)(c)の変形において,(c)の等号成立条件が正方形に限ることを言及しておけば,(a)(b)において等号が成立する場合がどのような場合かについては考える必要はありません.どこか一つでも等号が成立しなければ,全体において等号は成立しないからです.つまり

A\leqq B,B\leqq C,C\lt D ならば A\lt D

ということです.冒頭に述べた東京出版の京大51年の当時の解答では

「正方形の面積はひし形の面積より小さくない」

と書いている部分が少し論理が甘い部分となります.ここは

「ひし形の面積が最大となるのは正方形に限るので」

と書くべきに思います.もちろん「ひし形の面積が最大となるのは正方形に限る」ことは
\sin\theta=1 となるのが正方形に限るのは明らかですから,本問の場合は減点はされないように思いますが.

2026.10.17記
(ii) 1935年(昭和10年)東京帝國大學農學部-數學[4] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR のように,辺の長さを固定するときの面積最大となる四辺形は円に内接するので,あとは AM-GM 不等式から示すことができます
(前半は 1935年(昭和10年)東京帝國大學農學部-數學[4] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR と全く同じ).

[解答]
(ii) 四角形 \rm ABCD とし,その面積をS とする.また,\rm AB=a,\rm BC=b,\rm CD=c,\rm DA=d とおく.\angle\rm DAB=\theta,\angle\rm BCD=\varphi とする.

このとき
 S=\dfrac{1}{2}(ad\sin \theta+bc\sin\varphi)
であり,
\rm BD=a^2+d^2-2ad\cos\theta=b^2+c^2-2bc\cos\varphi
からad\sin\theta\, d\theta= bc\sin \varphi\, d\varphi となるので,
 2\cdot \dfrac{dS}{d\theta}=ad\cos\theta+bc\cos\varphi\cdot\dfrac{ad\sin\theta}{bc\sin\varphi}=ad\cdot\dfrac{\sin\varphi\cos\theta+\cos\varphi\sin\theta}{\sin\varphi}=ad\cdot\dfrac{\sin(\varphi+\theta)}{\sin\varphi}
が成立する.\dfrac{dS}{d\theta}=0 なる \theta は  \theta=\pi-\varphi で,この前後で符号を正から負に転ずるので極大かつ最大となる.(0\lt \varphi\lt \pi より \sin\varphi\gt0)

よって四角形が円に内接するときに面積が最大となり,その面積は Brahmagupta の公式より
S=\dfrac{1}{4}\sqrt{(-a+b+c+d)(a-b+c+d)(a+b-c+d)(a+b+c-d)}
となる.

AM-GM 不等式により
\sqrt{4S}=\sqrt[4]{(-a+b+c+d)(a-b+c+d)(a+b-c+d)(a+b+c-d)}\leqq \dfrac{2(a+b+c+d)}{4},
つまり
S\leqq\left(\dfrac{a+b+c+d}{4}\right)^2(=定数)
となる.等号成立は a=b=c=d であるから,円に内接する菱形,つまり正方形のときにのみ最大値をとる.

1977年(昭和52年)京都大学-数学(理系)[4]

2026.10.13.15:15:30記

[4] (i) サイコロを 1 回または 2 回ふり,最後に出た目の数を得点とするゲームを考える.1 回ふって出た目を見た上で,2 回目をふるか否かを決めるのであるが,どのように決めるのが有利であるか.

(ii) 上と同様のゲームで,3 回ふることも許されるとしたら,2 回目,3 回目をふるか否かの決定は,どのようにするのが有利か.

2026.10.14.記
2005年(平成17年)東京大学後期-数学[2] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR に同じ問題が出題されました.

[解答]
サイコロを 1 回ふったときに出た目の得点の期待値は \dfrac{1+2+3+4+5+6}{6}=3.5 である.

(i) 1 回目に 4,5,6 が出たら 1 回目でやめ,1 回目に 1,2,3 が出たら 2 回目をふる,

とすれば良い.

(ii) (i)の場合の得点の期待値は \dfrac{4+5+6}{3}\cdot\dfrac{1}{2}+3.5\cdot \dfrac{1}{2}=4.25 である.よって

1 回目に 5,6 が出たら 1 回目でやめ,1 回目に 1,2,3,4 が出たら 2 回目をふる,
2 回目に 4,5,6 が出たら 2 回目でやめ,2 回目に 1,2,3 が出たら 3 回目をふる,

とすれば良い.

1977年(昭和52年)京都大学-数学(理系)[3]

2026.10.13.15:15:30記

[3] 関数 f(x)=\sin x に対し,関数 f^{(n)}(x) を,f^{(0)}(x)=f(x),\displaystyle f^{(n+1)}(x)=\dfrac{df^{(n)}(x)}{dx} により定める(n=0,1,2,\cdots ).任意の自然数 n について,2つの関数 y=xf^{(n-1)}(x) および y=f^{(n)}(x) のグラフを,それぞれ C_1,C_2 とする.\mbox{P} が C_1,C_2 の交点であれば,\mbox{P} における C_1,C_2 の接線 t_1,t_2 は互いに直交する.これを証明せよ.

2026.10.14.記

[解答]
\sin x の微分は \cos x,-\sin x,-\cos x,\sin x と周期 4 で繰り返すので,
任意の自然数 n について
f^{(n+1)}(x)=-f^{(n-1)}(x),\{f^{(n-1)}(x)\}^2+\{f^{(n)}(x)\}^2=1
が成立する.

\mbox{P} の x 座標を u とするとき,
uf^{(n-1)}(u)=f^{(n)}(u)
が成立し,
t_1 の傾きは f^{(n-1)}(u)+uf^{(n)}(u),
t_2 の傾きは f^{(n+1)}(u)
であるから,その積は
\{f^{(n-1)}(u)+tf^{(n)}(u)\}f^{(n+1)}(u)
=-\{f^{(n-1)}(u)+tf^{(n)}(u)\}f^{(n-1)}(u)
=-[\{f^{(n-1)}(u)\}^2+\{f^{(n)}(u)\}^2]=-1
となるので,t_1,t_2 は互いに直交する.

1977年(昭和52年)京都大学-数学(理系)[2]

2026.10.13.15:15:30記

[2] 正の数 a に対し,関数 f(x)=ax-(1+a^4)x^3 を考える.この関数のグラフが x 軸の正の部分と交わる点の x 座標を c とし,積分 S_a=\displaystyle\int_0^c f(x)\, dx を考える.a をいろいろ変えたとき,S_a の値が最大になるような a の値を求めよ.

2026.10.14.記

[解答]
f(x)=ax\left(1-\dfrac{1+a^4}{a}x^2\right) において f(c)=0,c\gt 0 であるから a=(1+a^4)c^2 である.このとき
S_a=\dfrac{ac^2}{2}-\dfrac{1+a^4}{4}c^4=\dfrac{ac^2}{4}=\dfrac{a^2}{4(1+a^4)}
であり,AM-GM不等式により
\dfrac{1}{4S_a}=a^2+\dfrac{1}{a^2}\geqq 2
(等号成立は a=1)となる.
よって S_a は a=1 のときに最大となる.

1977年(昭和52年)京都大学-数学(理系)[1]

2026.10.13.15:15:30記

[1] 2 次方程式 x^2+x-1=0 の 2 つの根(解)a,b を成分にもつ,平面上のベクトル \mathbf{u}=(a,b) を考える.同じ平面上のベクトル \mathbf{v}=(c,d) で,\mathbf{u} と直交し,長さが 1 であるものの成分 c,d を 2 つの根にもつ 2 次方程式を求めよ.

2026.10.14.記

[解答]
x^2+x-1=0 は左辺が y 切片が負で下に凸の 2 次関数であるから,この方程式は 2 つの実数解を持つ.それを \alpha,\beta(\alpha\lt\beta)とおくと \{a,b\}=\{\alpha,\beta\} となる.

このとき

「\{c,d\}=\left\{\dfrac{\alpha}{\sqrt{\alpha^2+\beta^2}},-\dfrac{\beta}{\sqrt{\alpha^2+\beta^2}}\right\} または \{c,d\}=\left\{-\dfrac{\alpha}{\sqrt{\alpha^2+\beta^2}},\dfrac{\beta}{\sqrt{\alpha^2+\beta^2}}\right\} 」

であるから,

c+d=\pm\dfrac{\beta-\alpha}{\sqrt{\alpha^2+\beta^2}},cd=-\dfrac{\alpha\beta}{\alpha^2+\beta^2}

となり,求める 2 次方程式は

x^2\pm\dfrac{\beta-\alpha}{\sqrt{\alpha^2+\beta^2}}x-\dfrac{\alpha\beta}{\alpha^2+\beta^2}=0

の 2 つである.

ここで,\alpha+\beta=-1,\alpha\beta=-1 であるから,
\alpha^2+\beta^2=(\alpha+\beta)^2-2\alpha\beta=3,(\beta-\alpha)^2=(\alpha+\beta)^2-4\alpha\beta=5
となり,求める 2 次方程式は

x^2\pm\dfrac{\sqrt{5}}{\sqrt{3}}x+\dfrac{1}{3}=0

の 2 つとなる.