[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2013年(平成25年)東京大学前期-数学(文科)[4]

2013年(平成25年)東京大学前期-数学(理科)[3] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
の(1)のみ.該当する部分を切り貼りしておく.

2022.03.10記
非常に考えにくい問題.何に着目するかによって難しさが変わる.

[解答]

\rm A が得点をするのは裏が偶数回出た後に表が出たとき,\rm B が得点をするのは裏が奇数回出た後に表が出たときである.

(a) \rm A が2対0で勝つとき:
n 回目が表であり,n-1 回までに裏が n-2 回,表が1回出てコインが \rm A にあるので,n=2m は偶数であり,裏が n-2=2m-2 回出るうちの偶数回目(0回目の含む)の裏が出た次に表が1回でるので、0,2,\ldots,2m-2 回目の m 通りあるから

n が偶数のとき \dfrac{m}{2^n}=\dfrac{n}{2^{n+1}}
n が奇数のとき 0

となる.

(b) \rm A が2対1で勝つとき:
n 回目が表であり,n-1 回までに裏が n-3 回,表が2回出てコインが \rm A にあるので,n=2k+1 は奇数であり,裏が n-3=2k-2 回出るうちの偶数回目(0回目の含む)の裏が出た次に表が1回でて(0,2,\ldots,2k-2回目の k通り)、奇数回目の裏が出た次に表が1回でる(1,3,\ldots,2k-3回目の k-1通り)ので,k(k-1) 通りあるから
n が偶数のとき 0
n が奇数のとき \dfrac{k(k-1)}{2^n}=\dfrac{(n-1)(n-3)}{2^{n+2}}
となる.

以上から,
n が偶数のとき \dfrac{m}{2^n}=\dfrac{n}{2^{n+1}}
n が奇数のとき \dfrac{k(k-1)}{2^n}=\dfrac{(n-1)(n-3)}{2^{n+2}}
となる.