[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2024九大後期数学[4]

2024.10.04記
(2) この4次関数の二重接線は除外されているので,変曲点における接線が条件を満たします(4次方程式の解が単解と三重解となる場合).

[解答]
(1) f(x)=(1-x^2)^2 とおくと l の方程式は
y=f'(k)(x-k)+f(k)=-4k(1-k^2)(x-k)+(1-k^2)^2=-4k(1-k^2)x+(1-k^2)(1+3k^2)
つまり
y=-4k(1-k^2)x+(1-k^2)(1+3k^2)
となる.

(2) Cl の共有点の x 座標は f(x)=f'(k)(x-k)+f(k) の実数解である.この x についての4次方程式は
(1-x^2)^2+4k(1-k^2)x-(1-k^2)(1+3k^2)=x^4-2x^2+4k(1-k^2)x+6k^4-2k^2=(x-k)^2(x^2+2kx+3k^2-2)=0
となる.ここで
x^2+2kx+3k^2-2=0
が重解をもつのは判別式から 2-2k^2=0k\gt 0 より k=1 でなければならないが,k\neq 1 より重解をもたない.よって x^2+2kx+3k^2-2=0k と「k でない」解を1つずつ持てば良い.

x^2+2kx+3k^2-2=0x=k を解に持つので k=\dfrac{1}{\sqrt{3}} となり,このとき残りの解は,解と係数の関係により -\sqrt{3} となり条件を満たす.よって k=\dfrac{1}{\sqrt{3}} となる.

(3) \alpha=-\sqrt{3}\beta=\dfrac{1}{\sqrt{3}} とおくと求める面積は
\displaystyle\int_{\alpha}^{\beta}(x-\alpha)(\beta-x)^3dx=\displaystyle\int_{\alpha}^{\beta}(x-\beta+\beta-\alpha)(\beta-x)^3dx=(\beta-\alpha)\displaystyle\int_{\alpha}^{\beta}(\beta-x)^3dx-\displaystyle\int_{\alpha}^{\beta}(\beta-x)^4dx=\dfrac{1}{4}(\beta-\alpha)^5-\dfrac{1}{5}(\beta-\alpha)^5=\dfrac{1}{20}(\beta-\alpha)^5=\dfrac{1}{20}\left(\dfrac{4}{\sqrt{3}}\right)^5=\dfrac{256}{45\sqrt{3}}
となる.