[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2015年(平成27年)東京大学前期-数学(文科)[1]

2021.03.23記

[解答]

命題Aについて

f(x)=x^3-26x^2+2600 とおくと,f'(x)=3x^2-52x だから,増減表を考えると,x=\dfrac{52}{3} で極小値をとるので,f(n)n=17 または 18 で最小値をとる.f(17)=-1 となるので,これが反例となり,よって命題Aは偽である.

(反例が1つ見つかったので,n=18 は調べなくて良い)

命題Bについて

5n+5m+3l=1 のとき,
10mn+3l(m+n)=10mn+(1-5m-5n)(m+n)=-5m^2-5n^2+m+n
であるが,
-5x^2+x\geqq 0\Longleftrightarrow 0\leqq x\leqq\dfrac{1}{5}
に注意すると,整数 m,n に対して
5m^2-5n^2+m+n\leqq 0(等号はm=n=0)
となるが,m=n=0 のとき,l=\dfrac{1}{3} と整数ではないので,m=n=0 とはならない.

よって 5m^2-5n^2+m+n\lt0 となるので,命題Bは真である.