[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1909年(明治42年)東京帝國大學工科大學-數學[6]

[6] A man is at sea 4 miles distant from the nearest point of a straight shore and he wishes to get to a place 8 miles distant from the nearest point the road lying along the shore. He can row and walk. Find at what point he ought to land to get to this place in the minimum time, if he rows at 3 miles per hour and walk at 4 miles per hour.

2019.03.05記

[6]一人の男が真っ直ぐな海岸の最寄りの地点から4マイル離れた場所にいる。彼は海岸に沿って横たわる道路の最寄りの地点から8マイル離れた場所に着きたいと思っている。彼は海を時速3マイルで漕ぐことができ、陸を時速4マイルで歩くことができる。彼が最短時間で目的地に到着するために向かうべき場所を求めよ。

2019.03.05記
有名な問題。地震学で走時曲線が折れ曲る理由も同じような原理になっている。短い距離なら陸だけを移動した方が早く到着するが一定以上長くなるとわざわざ海に出て移動した方が早く着くという話。全反射が起こることを考えて、答は\sin\theta=\dfrac{3}{4}となる方向に進めば良い。

[解答]
出発点を\mbox{A}(0,4)とし、目的地を\mbox{B}(8,0)とする。また向かうべき場所を\mbox{P}(p,0)とするとき、所要時間はf(p)=\dfrac{\sqrt{p^2+16}}{3}+\dfrac{8-p}{4}となる。
f'(p)=\dfrac{p}{3\sqrt{p^2+16}}-\dfrac{1}{4}=0から\dfrac{p}{\sqrt{p^2+16}}=\dfrac{3}{4}となる方向に進めば良い。p=\dfrac{12\sqrt{7}}{7}である。

2020.03.04記

海上ノ船の位置ヨリ海岸ニ垂線ヲ引キタリトシ、ソノ足ヲPトセバ上陸點ハPヨリ\dfrac{12}{\sqrt{7}}哩ノ所ナリ。