[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1957年(昭和32年)東京大学-数学(一般数学)[2]

2022.02.13記

[2] 右の図は直円錐台の投影図であって,その高さは \sqrt{7} ,上底面と下底面の直径はそれぞれ 6 および 12 である.また側面上の二点 \rm A,B の平面図はぞれぞれ a,b であり,立面図はそれぞれ a′,b′ である.側面上を通って二点 A,B を結ぶ曲線の長さの最小値を求めよ.ただし,曲線は上底面および下底面の周上を通ってもよい.

[図]


2022.02.18記
円錐の側面積は,底面の半径を r,母線の長さを l とすると \pi l r となるので,側面の扇形の中心角度は 2\pi\times\dfrac{r}{l} となる.

[解答]
直円錐の高さは2\sqrt{7} であるから,側面の扇形は,半径 8 の円から半径 4 の同心円をくりぬいたものとなり,\rm A,B を同心円の中心から見込む角度 \pi\dfrac{6}{8}=\dfrac{3\pi}{4} である.

同心円の外側の円上の点から内側の円へ接線を引くとき,接点と点を同心円の中心から見込む角度は,半径比が 1:2 より \dfrac{\pi}{3} であるから,
\rm A から接線により内側の円に移動し,内側の円弧に沿って \rm B に行くのが最短となる.よって
4\sqrt{3}+4\times\dfrac{5}{12}\pi=4\sqrt{3}+\dfrac{5}{3}\pi
となる.