[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1972年(昭和47年)東京大学-数学(理科)[4]

2023.08.09記

[4] たがいに外接する定円 \mbox{C}\mbox{C}' が共通接線 l の同じ側にあるとする.
図(省略)のように
\mbox{C}\mbox{C}'l に接する円を \mbox{C}_1
\mbox{C}\mbox{C}_1l に接する円を \mbox{C}_2
\cdots\cdots
\mbox{C}\mbox{C}_{n-1}l に接する円を \mbox{C}_n
とする.
このとき円 \mbox{C}_n の半径を r_n として,
極限値 \displaystyle\lim_{n\to\infty}n^2r_n を,
\mbox{C} の半径 \mbox{R} と円 \mbox{C}' の半径 \mbox{R}' とを用いてあらわせ.

2023.08.09記

[解答]
互いに外接する2円が共通接線の同じ側にあるとしたとき,
2円の半径をa,b とし,共通接線との接点の間の距離をc とおくと
c^2+|a-b|^2=(a+b)^2
が成立するので,c=2\sqrt{ab} となる.

r_0=\mbox{R}' とおくと,n=1,2,\ldots において
 2\sqrt{\mbox{R}r_n}+2\sqrt{r_nr_{n-1}}=2\sqrt{\mbox{R}r_{n-1}}
が成立するので,
\dfrac{1}{\sqrt{r_n}}=\dfrac{1}{\sqrt{r_{n-1}}}+\dfrac{1}{\sqrt{\mbox{R}}}
となる.よって
\dfrac{1}{\sqrt{r_n}}=\dfrac{1}{\sqrt{r_0}}+\dfrac{n}{\sqrt{\mbox{R}}}
となり,
\displaystyle\lim_{n\to\infty}\dfrac{1}{n\sqrt{r_n}}=\displaystyle\lim_{n\to\infty}\left(\dfrac{1}{n\sqrt{r_0}}+\dfrac{1}{\sqrt{\mbox{R}}}\right)=\dfrac{1}{\sqrt{\mbox{R}}}
よって
\displaystyle\lim_{n\to\infty} n^2r_n=\mbox{R}