[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1970年(昭和45年)東京大学-数学(理科)

2024.02.24記

[1] i虚数単位とし a=\cos\dfrac{\pi}{3}+i\sin\dfrac{\pi}{3} とおく.
また n はすべての自然数にわたって動くとする.このとき,

(1) a^n は何個の異なる値をとり得るか.

(2) \dfrac{(1-a^n)(1-a^{2n})(1-a^{3n})(1-a^{4n})(1-a^{5n})}
{(1-a)(1-a^2)(1-a^3)(1-a^4)(1-a^5)} の値を求めよ.

[2] x 軸上原点から出発し,貨幣を投げて表がでたら右へ1だけ進み,裏がでたら左へ 1 だけ進むことにする.

(1) これを4回くりかえしたとき x=0\pm1\pm2\pm3\pm4 の各点にいる確率を求めよ.

(2) 一般にこれを n 回くりかえしたとき x=n-2 にいる確率と x=n-4 にいる確率とを求めよ.

[3] 25\mbox{m} 隔てて二地点 \mbox{P}\mbox{Q} がある.いま\mbox{A}\mbox{B}二人がそれぞれ \mbox{P}\mbox{Q} に立ち,同時に向いあって走り出す.走り出してから t 秒後の\mbox{A}\mbox{B}の速度を,\mbox{P} から \mbox{Q} に向う方向を正の向きとしてそれぞれ u\,\mbox{m}/秒v\,\mbox{m}/秒 とすれば,u は一定で v=\dfrac{3}{4}t^2-3t である.
このとき,\mbox{B}\mbox{Q} にかえるまでに \mbox{A}\mbox{B} に出あうかまたは追いつくためには,u が少なくともどれほどの大きさでなければならないか.

[4] 図のように鉛直な側面をもった水槽が水平な床の上におかれており,水面の高さは床からa\,\mbox{cm} である.いま側面に小さな穴をあけて水を水平方向に噴出させる.

(1) 穴の位置を水面からh\,\mbox{cm} にするとき,噴流は床の上のどの点に落ちるか.

(2) 噴流が穴の真下の床上の点から最も遠くに落ちるためには,穴の位置をどこにすればよいか.

(3) 穴の位置を一鉛直線上いろいろに変えるときの,噴流の通過する範囲を求めよ.

ただし,噴出した水は水平方向には等速度運動をし,鉛直方向には加速度 g\,\mbox{cm}/秒^2 の等加速度運動をする.また水面から h\,\mbox{cm} の深さの穴から噴出する水の初速度は \sqrt{2gh}\,\mbox{cm/秒} である.


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