[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1970年(昭和45年)東京大学-数学(理科)[3]

2024.02.24記

[3] 25\mbox{m} 隔てて二地点 \mbox{P}\mbox{Q} がある.いま\mbox{A}\mbox{B}二人がそれぞれ \mbox{P}\mbox{Q} に立ち,同時に向いあって走り出す.走り出してから t 秒後の\mbox{A}\mbox{B}の速度を,\mbox{P} から \mbox{Q} に向う方向を正の向きとしてそれぞれ u\,\mbox{m}/秒v\,\mbox{m}/秒 とすれば,u は一定で v=\dfrac{3}{4}t^2-3t である.
このとき,\mbox{B}\mbox{Q} にかえるまでに \mbox{A}\mbox{B} に出あうかまたは追いつくためには,u が少なくともどれほどの大きさでなければならないか.


2024.02.24記

[解答]
走りだしてから t 秒後の \mbox{A}\mbox{B} の位置を,\mbox{P} から測って A(t)B(t) とすると,
A(t)=ut
B(t)=\dfrac{t^3}{4}-\dfrac{3t^2}{2}+25=\dfrac{t^2(t-6)}{4}+25
が成立する.よって \mbox{B}\mbox{Q}に帰るのは
B(t)=25 から t=0,6 となり,6秒後である.

それまでに,\mbox{A}\mbox{B}に出あうかまたは追いつくためには,
A(t)=B(t)0\lt t\lt 6 の根をもつことが必要かつ十分である.

そこで,曲線 y=B(x) の接線
y=B'(\alpha)(x-\alpha)+B(\alpha)
=\left(\dfrac{3\alpha^2}{4}-3\alpha\right)(x-\alpha)+\dfrac{\alpha^3}{4}-\dfrac{3\alpha^2}{2}+25
が原点を通る条件を求めると,
0=\left(\dfrac{3\alpha^2}{4}-3\alpha\right)(0-\alpha)+\dfrac{\alpha^3}{4}-\dfrac{3\alpha^2}{2}+25
より
\alpha^3-3\alpha^2-50=(\alpha-5)(\alpha^2+2\alpha+10)=0
となり,\alpha=5 となり,このとき
B'(5)=\dfrac{15}{4}
となるので,求める u の最小値は \dfrac{15}{4} となる.