[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1977年(昭和52年)東京大学-数学(文科)[4]旧課程

[4](旧課程)a を実数の定数とするとき,a\cos 2\theta-4(a-2)\cos\theta-a+4=0 をみたす相異なる \theta は,0\leqq\theta\lt 2\pi の範囲にいくつあるか.

2023.08.18記

[解答]
与えらえた式は
a(\cos^2\theta-2\cos\theta-1)+2(2\cos\theta+1)=0
となる.

(i) a=0 のとき 2\cos\theta+1=0 から \theta0\leqq\theta\lt 2\pi の範囲に2個.

(ii) a\neq 0 のとき
与えらえた式は
\cos^2\theta-2\cos\theta+1=-\dfrac{2}{a}(2\cos\theta+1)+2
となるので,x=\cos\theta とおき,X=x-1とおくと
放物線 C:\,Y=x^2-2x+1=X^2

直線 l:\,Y=-\dfrac{2}{a}(2x+1)+2=-\dfrac{4}{a}\left(X+\dfrac{3}{2}\right)+2
-2\leqq X\leqq 0 における交点の個数を数えれば良い.

ここでX に対する \theta の個数は X=-2,0 のとき1個,それ以外のときは2個になることに注意する.……(★)

また,Clが接するのは a=1(接点(-2,4))とa=1(接点(-1,1))であり,l(0,0) を通るのが a=3 であることに注意すると

(a) a\lt 0 のとき -\dfrac{3}{2}\lt X\lt -\sqrt{2} の範囲に解を 1 つだけ持つので X は1個,つまり \theta は2個

(b) 0\lt a\lt 1 のとき -2\lt X \lt -\dfrac{3}{2} の範囲に解を 1 つだけ持つので X は1個,つまり \theta は2個

(c) a=1 のとき X=-2 という解を 1 つだけ持つので(★)により \theta は1個

(d) 1\lt a\lt 2 のとき解なしなので \theta は0個

(e) a=2 のとき X=-1 という解を 1 つだけ持つので \theta は2個

(f) 2\lt a\lt 3 のとき -\sqrt{2}\lt X \lt -1-1\lt X \lt 0 の範囲に解を 1つずつ持つので X は2個,つまり \theta は4個

(g) a=3 のとき -\sqrt{2}\lt X \lt -1 の範囲に解を 1個持ち,X=0という解を持つので(★)により \theta は3個

(h) 3\lt a のとき -\sqrt{2}\lt X \lt -1 の範囲に解を 1つだけ持つので \theta は2個

となる.以上をまとめて

a\lt 1 のとき2個,
a=1 のとき1個,
1\lt a\lt 2 のとき0個,
a=2 のとき2個,
2\lt a\lt 3 のとき4個,
a=3 のとき3個,
3\lt a のとき2個

となる.

理系の範囲で解くなら,
y=-\dfrac{4x+2}{x^2-2x-1}y=a の交点の個数を数え,x に対する \theta の個数が x=\pm 1 のとき1個,それ以外のときは2個になることに注意して\theta の個数を数えれば良い.