[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1984年(昭和59年)東京大学-数学(理科)[6]

2023.08.25記

[6] xy 平面において,不等式 x^2\leqq y の表す領域を D とし,不等式 (x-4)^2\leqq y の表す領域を E とする.

このとき,次の条件 (*)を満たす点 \mbox{P}(a,b) 全体の集合を求め,これを図示せよ.

(*) \mbox{P}(a,b) に関して D と対称な領域を U とするとき,
D \cap U \neq \phi, \quad E \cap U \neq \phi, \quad D \cap E \cap U = \phi
が同時に成り立つ.ただし,\phi空集合を表すものとする.

2020.11.30記
(何でこんな下手糞な解答をしてんのだろう,,,(2023.09.17)⇒[別解])

[解答]
D:y\geqq x^2
E:y\geqq (x-4)^2
U:y\leqq -(x-2a)^2+2b
である.
\partial D:y= x^2
\partial E:y= (x-4)^2
\partial U:y= -(x-2a)^2+2b
とおくと,
(a) D\cap U\neq\phi\partial D\partial U が共有点をもつ,
(b) E\cap U\neq\phi\partial E\partial U が共有点をもつとなる.

また,\partial (D\cap E):y=\left\{\begin{array}{ll} (x-4)^2 & (x\leqq 2) \\  x^2 & (x\geqq 2) \end{array}\right.
を用いて
(c) D\cap E\cap U=\phi\partial (D\cap E)\partial U が共有点をもたない

となる.そして条件(a)〜(c) は
(A) \partial D\partial Ux\lt 2 に2解(重解含む) をもち,
かつ
(B) \partial E\partial Ux\gt 2 に2解(重解含む) をもつこと,
とまとめることができる.

(A) は x^2-2ax+2a^2-b の2解が x\lt 2 となる条件で
b-a^2\geqq 0 かつ a\lt 2 かつ  4\gt -(2-2a)^2+2b
と同値.

(B) は x^2-2(a+2)x+2a^2-b+8 の2解が x\gt 2 となる条件で
b-(a-2)^2\geqq 0 かつ a\gt 0 かつ  4\gt -(2-2a)^2+2b
と同値.

よって求める領域は
b-a^2\geqq 0 かつ b-(a-2)^2\geqq 0 かつ  b\lt 2(a-1)^2+2
となる.


2023.09.17記

[解答]
D:y\geqq x^2
E:y\geqq (x-4)^2
U:y\leqq -(x-2a)^2+2b
である.
\partial D:y= x^2
\partial E:y= (x-4)^2
\partial U:y= -(x-2a)^2+2b
とおくと,
(a) D\cap U\neq\phi\partial D\partial U が共有点をもつ,
(b) E\cap U\neq\phi\partial E\partial U が共有点をもつとなる.
(c) D\cap E\cap U=\phi\partial D\partial E の交点 (2,4)U に含まれない
となるので

(a) \Longleftrightarrow\quadb\geqq 0
(b) \Longleftrightarrow\quadb\geqq (a-2)^2
(c) \Longleftrightarrow\quadb\lt 2(a-1)^2+2

を図示して次図を得る.