[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1984年(昭和59年)東京大学-数学(文科)

2023.08.25記

[1] t を実数の定数として,関数 f(x)=(x^2-3x+2)(x-t) を考える.いま f'(x)=02 個の解を \alpha\beta\alpha\lt \beta)と書くことにすれば,これらは t の関数とみなすことができる.

t の関数 |t-\alpha|+|t-\beta|1\leqq t \leqq 3 の範囲における最大値および最小値を求めよ.

[2] xy 平面上に,海を隔てて2国 \mbox{A}\mbox{B} がある.\mbox{A} の領土は不等式 x^2+{(y-7)}^2\leqq 4 で表される領域であり,\mbox{B} の領土は不等式 y\leqq 0 で表される領域であるという.

いま \mbox{A} の領海を次の3条件(1),(2),(3)を満たす点 \mbox{P} 全体の集合と定める:

(1) \mbox{P}\mbox{A}\mbox{B} いずれの領土にも含まれない.

(2) \mbox{P}\mbox{A} の領土との間の最短距離は 4 より小さい.

(3) \mbox{P}\mbox{A} の領土との間の最短距離は,\mbox{P}\mbox{B} の領土との間の最短距離より小さい.

\mbox{A} の領海の面積を求めよ.

[3] 空間内の点の集合 \{(x,y,z) \,|\, 0\leqq y,0\leqq z \} に含まれ,原点 \mbox{O} において x 軸に接し,xy 平面と45^{\circ}の傾きをなす,半径 1 の円板 C がある.座標が (0,0,2\sqrt{2}) の位置にある点光源 \mbox{P} により,xy 平面上に投ぜられた円板 C の影を S とする.

(i) S の輪郭を表す xy 平面上の曲線の方程式を求めよ.

(ii) 円板 C と影 S の間にはさまれ,光の届かない部分のつくる立体の体積を求めよ.

[4] 各世代ごとに,各個体が,他の個体とは独立に,確率pで1個,確率1-pで2個の新しい個体を次の世代に残し,それ自身は消滅する細胞がある.いま,第 0 世代に1個であった細胞が,第 n 世代に m 個となる確率を,P_n(m) とかくことにしよう.

n自然数とするとき,P_n(1)P_n(2)P_n(3)
を求めよ.

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