[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1985年(昭和60年)東京大学-数学(文科)[2]

2023.08.26記

[2] 図において,\mbox{AB}\mbox{CD} は一辺の長さ 1km の正方形で,\mbox{M}\mbox{N} はそれぞれ辺 \mbox{CD}\mbox{DA} の中点である.

いま,甲,乙は同時刻にそれぞれ \mbox{A}\mbox{B} を出発し,同じ一定の速さで歩くものとする.甲は図の実線で示した道 \mbox{AMB} 上を進み,乙は実線で示した道 \mbox{BNC} 上を進み,
30分後に甲は \mbox{B} に,乙は \mbox{C} に到着した.

甲,乙が最も近づいたのは出発後何分後か.また,そのときの両者の間の距離はいくらか.

2020.12.14記

[解答]
\rm AC\rm BD の交点を \rm O とすると,\triangle 甲{\rm O}乙 は 直角2等辺三角形だから,甲と乙が一番近づくのは、甲が \rm O に一番近づくときとなる.

よって,甲が \rm O から \rm AM,MB への垂線の足にくるときに一番近づく.

その時刻は,1:2:\sqrt{5} の直角三角形の相似を使って、9分後と21分後で、距離は\rm O からの距離の \sqrt{2} 倍の \dfrac{1}{\sqrt{10}} となる.