[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1990年(平成2年)東京大学前期-数学(文科)[4]

2024.01.04記

[4] 平面 \pi の上に等辺の長さが 1 であるような直角二等辺三角形がある.\pi 上の直線でこの直角二等辺三角形と頂点または一辺のみを共有するものを軸として,その三角形を回転させるときできる立体の体積の最大値,最小値を求めよ.

本問のテーマ
パップス・ギュルダンの定理

2020.08.03記
パップス・ギュルダンの定理を用いるために、直角2等辺三角形の重心からその周に一番近い点と一番遠い点を求めれば良い.

[大人の解答]
直角2等辺三角形の重心からその周に一番近い点は重心から3辺に下した垂線の長さで一番短いもの(3角形には鈍角がないので垂線の足は辺上に必ずある)であり,直角二等辺3角形の内接円を描いてみると,直角の頂点、内心、重心はこの順番に一直線上にあるので,斜辺への垂線が一番短かくて、\dfrac{1}{3\sqrt{2}}となる.

直角2等辺三角形の重心からその周に一番遠い点は垂線の足から離れるほど遠くなることから中心と3頂点の距離で一番長いものとなり,これは重心と直角でない頂点との距離で\dfrac{\sqrt{5}}{3}となる.

直角2等辺3角形の面積が\dfrac{1}{2}であることから、パップス・ギュルダンの定理より,最小値は\dfrac{\sqrt{2}}{6}\piとなり、最大値は\dfrac{\sqrt{5}}{3}\piとなる.