[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2007年(平成19年)東京大学前期-数学(文科)[2]

2024.02.19記

[2] r0\lt r\lt 1 をみたす実数,n2 以上の整数とする.
平面上に与えられた 1 つの円を,次の条件①,②をみたす2つの円で置き換える操作 (\mathbf{P}) を考える.

① 新しい2つの円の半径の比は r:1-r で,半径の和はもとの円の半径に等しい.

② 新しい 2 つの円は互いに外接し,もとの円に内接する.

以下のようにして,平面上に 2^n 個の円を作る.

\bullet 最初に,平面上に半径 1 の円を描く.

\bullet 次に,この円に対して操作 (\mathbf{P}) を行い,2 つの円を得る(これを 1 回目の操作という).

\bullet k 回目の操作で得られた 2^k 個の円のそれぞれについて,
操作 (\mathbf{P}) を行い,2^{k+1} 個の円を得る(1 \leqq k \leqq
n-1).

(1) n 回目の操作で得られる 2^n 個の円の周の長さの和を求めよ.

(2) 2 回目の操作で得られる 4 つの円の面積の和を求めよ.

(3) n 回目の操作で得られる 2^n 個の円の面積の和を求めよ.

2021.02.05記

[解答]
(1) 周の長さは高さ]\times 円周率であり,積み上げた円の高さはずっと1だから 2\pi

操作1回あたり,面積は r^2+(1-r)^2=2r^2-2r+1 倍になるので \pi(2r^2-2r+1)^n

(2) \pi(2r^2-2r+1)^2
(3) \pi(2r^2-2r+1)^n