[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2004年(平成16年)東京大学前期-数学(理科)

2024.02.18記

[1] xy 平面の放物線 y=x^2 上の3点 \mbox{P}\mbox{Q}\mbox{R} が次の条件をみたしている.

\triangle\mbox{PQR} は一辺の長さ a の正三角形であり,点 \mbox{P}\mbox{Q} を通る直線の傾きは \sqrt{2} である.

このとき,a の値を求めよ.

[2] 自然数2 乗になる数を平方数という.以下の問いに答えよ.

(1) 10 進法で表して 3 桁以上の平方数に対し,10 の位の数を a1 の位の数を b とおいたとき,a+b が偶数となるならば,b0 または 4 であることを示せ.

(2) 10 進法で表して 5 桁以上の平方数に対し,1000 の位の数,100 の位の数,10 の位の数,および 1 の位の数の 4 つすべてが同じ数となるならば,その平方数は 10000 で割り切れることを示せ.

[3] 半径 10 の円 C がある.半径 3 の円板 D を,円 C に内接させながら,円 C の円周に沿って滑ることなく転がす.円板 D の周上の一点を \mbox{P} とする.点 \mbox{P} が,円 C の円周に接してから再び円 C の円周に接するまでに描く曲線は,円 C を2つの部分に分ける.それぞれの面積を求めよ.

[4] 関数 f_n(x)n=123,…)を次のように定める.
f_1(x)=x^3-3x
f_2(x)=\{ f_1(x) \}^3-3f_1(x)
f_3(x)=\{ f_2(x) \}^3-3f_2(x)
以下同様に,n \geqq 3 に対して関数 f_n(x) が定まったならば,関数 f_{n+1}(x)f_{n+1}(x)=\{ f_n(x) \}^3-3f_n(x) で定める.このとき,以下の問いに答えよ.

(1) a を実数とする.f_1(x)=a をみたす実数 x の個数を求めよ.

(2) a を実数とする.f_2(x)=a をみたす実数 x の個数を求めよ.

(3) n3 以上の自然数とする.f_n(x)=0 をみたす実数 x の個数は 3^n であることを示せ.

[5] r を正の実数とする.xyz 空間内の原点 \mbox{O}(0,0,0) を中心とする半径 1 の球をA,点\mbox{P}(r,0,0) を中心とする半径 1 の球を B とする.球 A と球 B の和集合の体積を V とする.ただし,球 A と球 B の和集合とは,球 A または球 B の少なくとも一方に含まれる点全体よりなる立体のことである.

(1) Vr の関数として表し,そのグラフの概形をかけ.

(2) V=8 となるとき,r の値はいくらか.四捨五入して小数第 1 位まで求めよ.

注意:円周率\pi3.14\lt \pi\lt 3.15をみたす.

[6] 片面を白色に,もう片面を黒色に塗った正方形の板が 3 枚ある.この3枚の板を机の上に横に並べ,次の操作を繰り返し行う.

さいころを振り,出た目が 12 であれば左端の板を裏返し,34 であればまん中の板を裏返し,56 であれば右端の板を裏返す.たとえば,最初,板の表の色の並び方が「白白白」であったとし,1 回目の操作で出たさいころの目が 1 であれば,色の並び方は「黒白白」となる.さらに 2 回目の操作を行って出たさいころの目が 5 であれば,色の並び方は「黒白黒」となる.

(1) 「白白白」から始めて,3 回の操作の結果,色の並び方が「黒白白」となる確率を求めよ.

(2) 「白白白」から始めて,n 回の操作の結果,色の並び方が「白白白」または「白黒白」となる確率を求めよ.

注意:さいころは1から6までの目が等確率で出るものとする.

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