[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1913年(大正2年)東京帝國大學理科大學物理科-數學[4]

[4] 9^{9^9}ハ約幾桁ノ數ナルカ.\log 2=0.301,\log 3=0.477

2019.03.07記

普通の問題。

[解答]
\log_{10} 9^{9^9}=2\cdot 9^9\log_{10} 3である。
 \log_{10} (2\cdot 9^9) =18\log_{10} 3+\log_{10}2\approx 8.887
及び\log_{10}6=0.778\lt  0.887\lt \log_{10}8=0.903から
6\times 10^8 \lt 2\cdot 9^9 \lt 8\times 10^8
だから、
2.862\times 10^8\lt \log_{10} 9^{9^9}\lt 3.816\times 10^8
となるので、真ん中をとって約3億3千万桁の数となる。

というのが粗い評価。もう少し頑張って\log_{10}7を求めると、

[別解]
48\lt 49\lt 50から、4\log_{10}2+\log_{10}3\lt 2\log_{10}7\lt 2-\log_{10}2となり、
0.8405\lt \log_{10}7\lt 0.8495となるので、7\times 10^8 \lt 2\cdot 9^9 \lt 8\times 10^8
だから、
3.339\times 10^8\lt \log_{10} 9^{9^9}\lt 3.816\times 10^8
となるので、真ん中(3.55775\times 10^8)をとって約3億6千万桁の数となる。

より正確にするためには、2\cdot 9^9を細かく見なければならない。8\lt 9\lt 109を評価しようとすると、1回掛ける毎に約1割の誤差がでるので誤差が大きい。実際、 8^9=2^{27}=134217728\lt 9^9 \lt 10^9=1000000000と、右辺は左辺の7倍以上になっている。

そこで2^3\cdot 10=80\lt 81=9^2を利用して小さく見積ると
 4\times 10^7=40000000<40980000= 2^{12}\cdot 10^4\lt 9^8
となるので
7.2\times 10^8\lt 2\cdot 9^9
であることがわかる。
3^9=19683\lt 2\times 10^4
から、
2\cdot 9^9\lt 8\times 10^8
であることがわかるが、与えられた対数の値を用いて計算するのに比べて大して精度が上がっていないことがわかる。
対数の値を知っていることがどれだけすごいかわかるだろう。

このまま続けると、7.2\lt 2\cdot 9^9\lt 8\times 10^8となり、3.4344\times 10^8 \lt \log_{10} 9^{9^9}\lt 3.816\times 10^8となり、約3億6千万桁の数となる。

正確には、2\cdot 9^9=774840978から\log_{10} 9^{9^9}=369693099.6315\cdotsとなるので、3億6969万3100桁の数となるので、有効数字2桁だと、約3億7千万桁となるが、その精度で求めるのは骨が折れるだろう。