[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1916年(大正5年)東京帝國大學理科大學化學科[化學]

[1] 苛性カリの濃厚水溶液に盛に鹽素を通ずる場合に起る諸變化を記述せよ。

[2] セルロースに硝酸と硫酸との混合物を作用せしむる時は如何なる化學變化を起すか。其生成物の用途如何。

[3] オゾンを含める空氣を銀粉上に通じたるに全く黒き物質に變ぜり。此黒粉少許を鹽酸と共に温めたる後アムモニア水の過剰を加へたるに透明に溶解せり(a)。又此黒粉を稍強く熱したるに87%の銀を殘留せり。此黒粉は如何なる化合物なるか。(a)の實驗は何の爲めに行ひたるか、其化學變化を説明せよ。

[4] 攝氏70度1氣壓の時四二酸化窒素\mbox{N}_2\mbox{O}_4は六割五分酸化窒素\mbox{NO}_2に解離せり同一の状況の下に於て四二酸化窒素10グラムは幾リツトルの體積を有すべきか。

「四二酸化窒素」は今は普通、「四酸化二窒素」と呼ぶ。

参考:
液体四二酸化窒素中の三二酸化窒素 の吸光光度定量法 - J-Stage
https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunsekikagaku1952/16/10/16_10_1074/_pdf