2020.08.20記
を満たすとき,3つのベクトルの互いになす角を求めよ.
(2) , を任意の平面ベクトルとするとき,
であることを示せ.ここで は と の内積を表す.
(3) すべての内角が 未満の三角形 の内部の点 から各頂点までの距離の和 が最小になるような を求めよ.
2020.08.20記
フェルマー点
(1) は3つの単位ベクトルの和が零ベクトルなので、正三角形を作るはずと考えれば となる.
(2) , となるように をとり, から直線 に下した垂線の足を とすると,示すべきことは
に注意すると, となるが, は から直線 への垂線の足だから となるので成り立つ.
この問題では等号成立条件を答える必要はないが,等号成立は が直線 上にあり,かつ が に対して同じ側にあることである.
(3) を1つ見つけるのは簡単だが,見つけた1つ以外にないことを示さなければならない.(2) より任意の () に対して
,,
が成立するので,これらを足して任意の () に対して
が成立する.この不等式は両辺に が含まれるため,最小値をとることと等号が成立することは一般に異なる.そこで, の関数である右辺が定数関数となるような をみつけることにより,左辺の関数値を定数で評価する.
を をみたす三角形の内部の唯一の点とすると(1)により右辺は定数関数となり,任意の に対して
が成立する.右辺は定数であり,等号は少なくとも で成立するので,左辺の最小値は右辺となる.
等号成立は,足される前の3つの条件が のときに等号となることであり,それは
が直線 上にあり,かつ が に対して同じ側,
が直線 上にあり,かつ が に対して同じ側,
が直線 上にあり,かつ が に対して同じ側
にあることである.
が直線 ,直線 上にあることから であることが必要であり,このとき確かに等号が成立するので,等号成立のための必要十分条件は である.
よって は をみたす三角形の内部の唯一の点 である.