[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1924年(大正13年)東京帝國大學農學部(第二次)-數學[3]

[3] y=\dfrac{c}{2}(e^{\frac{x}{c}}+e^{-\frac{x}{c}}) ナル曲線ト y 軸トノ交點ニ於ケル曲率半徑ヲ求メヨ.

2022.08.07記

[解答]
y=f(x) の曲率半径は\dfrac{\{1+(y')^2\}^{3/2}}{|y''|}である.
y'=\dfrac{1}{2}(e^{\frac{x}{c}}-e^{-\frac{x}{c}})y''=\dfrac{1}{2c}(e^{\frac{x}{c}}+e^{-\frac{x}{c}})
だから,x=0 における曲率半径は c となる.

[別解]
マクローリン展開により
y=c+\dfrac{1}{2c}x^2+o(x^3)
であるから,x=0 における曲率半径は,放物線y=c+\dfrac{1}{2c}x^2の頂点における曲率半径と等しく
\dfrac{1}{2\cdot\left|\dfrac{1}{2c}\right|}=c
となる.