[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1949年(昭和24年)東京大学(旧制)工学部-数学[2]

[2] 直交軸 xy に關して y=\dfrac{\cos\pi x}{\dfrac{1}{4}-x^2} の表わす曲線を追跡せよ.

本によっては

[2] 直交軸 xy に關して y=\dfrac{\cos\dfrac{\pi}{2} x}{1-x^2} の表わす曲線を追跡せよ.
になっている(こちらは1936年(昭和11年)東京帝國大學理學部-數學[1] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR).

2022.07.20記

[解答]
f(x)=\dfrac{\cos\pi x}{\dfrac{1}{4}-x^2}=\dfrac{4\cos\pi x}{1-4x^2} とおくと y=f(x)は偶関数であり,\displaystyle \lim_{x\to \frac{1}{2}} f(x)=\displaystyle \lim_{x\to \frac{1}{2}} \dfrac{-\pi \sin\pi x}{-2x}=\pi であるから,2点\left(\pm\dfrac{1}{2},\pi\right)を追加すると連続関数となる.

y 軸との交点は (0,4) であり,
x 軸との交点は \left(\dfrac{2n+1}{2},0\right)n\in\mathbb{Z}n\neq -1,0)である.

y=f(x) は減衰振動であり,y=\dfrac{4}{1-4x^2}x=2n\pin\in\mathbb{Z})のときに接し,y=-\dfrac{4}{1-4x^2}x=(2n+1)\pin\in\mathbb{Z})のときに接する曲線である.


[w500]
f'(x)=0 を解くと \tan \pi x=-\dfrac{8x}{\pi(1-4x^2)} という方程式が登場するが,これは解けないので増減については考えないことにした.