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東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1956年(昭和31年)東京大学-数学

2020.10.26記

4科目のうち2科目を選択せよ

【解析I】

[1] 放物線 y =x^2+3x−1 上の相異なる2 点が直線 x+y =0 に関して対称であるとき,これら 2 点の座標を求めよ.

[2] 2 つの実係数の方程式 x^3−ax−2b=0x^3−bx−2a=0 とがただ 1 つの共通根をもち,どちらもそれ以外に実根をもたないためには,(a,b) を座標にもつ点が平面上のどのような範囲にあることが必要で十分か.その範囲を図で示せ.

[3] 放物線 y^2 =4p(x−\alpha) と円 x^2+y^2 =1 との共有点の個数は \alpha の変化に応じてどのように変わるか.ただし 0\lt p \lt\dfrac{1}{2} とする.

【解析II】

[1] 次の関数の最大値および最小値を求めよ.またそのときの \theta の値はいかほどか。
(2 \cos 2\theta+2 \cos\theta+3)(2 \cos\theta+3)−\sin^2 2\theta
ただし,0\lt \theta\lt\pi とする.

[2] 平面上の直交軸に関して,座標がそれぞれ (1,1)(−1,1) である2 点を通る放物線
y =ax^2+bx+ca\lt 0
x 軸が囲む面積の最小値を求めよ.

[3] 10n 本のくじの中に当りくじが n 本ある.

(1) このくじを10 本引いて,そのうちの1 本だけが当りくじである確率p_n を求めよ.

(2) \displaystyle\lim_{n\to\infty} p_n を求めよ.

【幾何】

[1] 一平面上に定円 \rm O と,その中心 \rm O とは異なる定点 \rm A がある.円 \rm O の任意の直径の両端と点 \rm A とを頂点とする三角形の外心の軌跡を求めよ.

[2] 半径一定の動円が平面上の直交座標系の原点 \rm O を通りながら動くとき,この円と x 軸,y 軸との原点以外の交点を \rm P,Q とすれば,線分 \rm PQ の3 等分点はどのような曲線の上にあるか.

[3] 平面上の直交軸に関して,座標 (1,0)(0,3)(−1,2) をもつ 3 点を頂点とする三角形を,y 軸のまわりに回転して生ずる立体の体積を求めよ.

【一般数学】

[1] 一定量a\%のアルコールがある.今第1回目にはその半分を汲みすててx\%のアルコールでおぎない,第1回目にはこのようにして得られたアルコールの半分を汲みすててy\%のアルコールでおぎなう.
このように半分を汲みすててx\%のアルコールでおぎなうことと,y\%のアルコールでおぎなうことを交互に続けるとする.

(i)このような操作をn回行ったときには何\%のアルコールとなるか.

(ii)この操作を限りなく続けるとき,偶数回目と奇数回目のアルコールの濃さはそれぞれどのようになるか.

[2] 甲が乙から A 円を月利 r で借り,かつ同時に丙に月利 sB 円を貸したとする.一月ごとの複利法によって,n
箇月後に甲が乙に支払うべき元利合計を P_n 円,甲が丙から受け取るべき元利合計を Q_n 円とし,また Q_n−P_n =D_n とする.このとき n には無関係で r,s のみによって定まる定数 a,b を適当に選べば
 D_{n+2} =aD_{n+1}+bDnn=1,2,3,…
が成り立つことを示し,かつ a,b を求めよ.ただし r \neq s とする.

[3] 右の図は \triangle\rm ABC の投影図で,a,b,c および a′,b′,c′ はそれぞれ頂点 \rm A,B,C の平面図および立面図である.

(i) \triangle \rm ABC の平面と平画面とのなす角 \theta を作図せよ.

(ii) aa′ =p,cc′ =q,b′c′ =r,ab =s として \triangle\rm ABC の面積を p,q,r,s で表せ.
注)平画面とは水平投影図のこと

[圖]

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