[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1974年(昭和49年)東京大学-数学(理科)

2023.08.09記

[1] 自然数 np に対し,n^p を十進法で書いたときの 1 の位の数を f_p(n) で表わす.ただし,自然数とは,123\cdots\cdots のことである.

(1) n自然数の全体を動くとき,f_2(n) の取る値を全部求めよ.

(2) あらゆる自然数 n に対して,f_5(n)=f_1(n) が成りたつことを証明せよ.

(3) n自然数の全体を動くとき,f_{100}(n) の取る値を全部求めよ.

[2] 長さ l の線分が,その両端を放物線 y=x^2 の上にのせて動く.この線分の中点 \mbox{M}x 軸にもっとも近い場合の \mbox{M} の座標を求めよ.ただし l\geqq 1 とする.

[3] 下の図は線分 \mbox{AB} の投影図で,その各部の寸法は図に記入してある通りである.
この線分の上端 \mbox{A} を通り,\mbox{AB} となす角が 60^{\circ},平画面に対する傾きが 30^{\circ} であるような直線の,平画面上の跡を \mbox{C} とする.点 \mbox{B} の平面図 \textrm{b} を原点とし,\textrm{ab}x 軸,\textrm{bb}'y 軸として,点 \mbox{C} の座標を求めよ.

[4] 二つの関数 f(x)g(x) が次の性質 (1),(2),(3),(4) を持つものとする.

(1) f(x)g(x)x=0 において微分可能.

(2) f(0)=g(0)=0

(3) 原点において,y=f(x) および y=g(x) のグラフに引いた接線はたがいに直交する.

(4) 実数 abc を適当に取ると,
f'(0)=\displaystyle\lim_{x \to 0}\dfrac{ax+bf(x)}{cx+f(x)}
g'(0)=\displaystyle\lim_{x \to 0}\dfrac{ax+bg(x)}{cx+g(x)}が成りたつ.

このとき,a の値を求めよ.

[5] 原点 \mbox{O} に中心をもつ半径 2 の固定された円板を \mbox{A} とする.半径 1 の円板 \mbox{B} を,その中心 \mbox{C} が点(3,0) に重なるように置くとき,点 (4,0) に重なる \mbox{B} の周上の点を \mbox{M} とする.\mbox{B} を,\mbox{A} の周囲に沿って滑らないようにころがして,\mbox{OC}x 軸の正の方向となす角が \theta になったときの,\mbox{M} の位置の座標を (\mbox{X},\mbox{Y}) とする.

\theta0 から \dfrac{\pi}{2} まで動くとして,次の問に答えよ.

(1) \mbox{X}\mbox{Y} とを \theta の関数として表わせ.

(2) \mbox{Y} の最大値を求めよ.

(3) \mbox{M} の描く曲線の弧の長さを求めよ.

[6] あるスポーツにおいて,\mbox{A}\mbox{B} 二チームが試合をして,さきに三回勝った方を優勝とする.一回の試合で \mbox{A} が勝つ確率を p\mbox{B} が勝つ確率を qp+q=1p\gt 0q\gt 0)とする.このとき,\mbox{A} が優勝する確率を P\mbox{B} が優勝する確率を Q とし,また,優勝チームがきまるまでの試合数を N として,次の問に答えよ.

(1) p\gt q のとき,P-Qp-q とはどちらが大きいか.

(2) P-p を最大にする p の値を求めよ.

(3) N の期待値を最大にする p の値およびそのときの N の期待値を求めよ.

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