[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1950年(昭和25年)東京大学(新制)-数学(一般数学)[4]

[4] ある變量を N 回測つて,x_1x_2\cdots\cdotsx_N という數値がそれぞれ f_1f_2\cdots\cdotsf_N 回得られた( f_1+f_2+\cdots\cdots+f_N=N ).

(1) この變量の平均 M はどう表わされるか.

(2) M に近いと思われる一つの數を M' とするとき x_1-M'=h_1x_2-M'=h_2\cdots\cdotsx_N-M'=h_N となつたとすれば,MM'h_1h_2\cdots\cdotsh_N でどう表されるか.

(3) ある體格檢査で,次のような身長の度数分布が得られた,これから平均の身長を求めよ.

身長cm 人数
150-155 3
155-160 6
160-165 32
165-170 17
170-175 10
175-180 2

本問のテーマ
仮平均
階級値に基づく簡易的な平均値

2024.11.05記

[解答]
(1) M=\dfrac{1}{N}\displaystyle\sum_{i=1}^N x_i f_i である.

(2) M=\dfrac{1}{N}\displaystyle\sum_{i=1}^N (h_i+M') f_i=\dfrac{1}{N}\displaystyle\sum_{i=1}^N h_i f_i+M' である.

(3) M'=162.5 とおくと,
M=\dfrac{3\times(-10)+6\times(-5)+32\times 0 + 17\times 5 + 10\times 1+15\times 2}{70}+162.5=\dfrac{65}{70}+162.5=163.428\cdots
となるので,M=163.4(通常に体格検査のように、0.1cm 単位で表しておく)となる.