[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1953年(昭和28年)東京大学-数学(幾何)[3]

[3] 一辺の長さが a なる正 n 角形の紙片から,その中心 \rm O を頂点とし,その一辺 \rm AB を底辺とする三角形 \rm OAB を切り取り,\rm OA\rm OB を一致させて,底面が正 (n-1) 角形で頂点 \rm O なる角錐を作る時,その容積はいくらか.

2024.09.23記

[解答]
一辺の長さが a なる正 n 角形の1辺を底辺とし中心を頂点とする2等辺三角形の頂点から底辺へ下した垂線の長さは
\dfrac{a/2}{\tan\dfrac{\pi}{n}}=\dfrac{a}{2\tan\dfrac{\pi}{n}}
であり,一辺の長さが a なる正 n-1 角形の1辺を底辺とし中心を頂点とする2等辺三角形の頂点から底辺へ下した垂線の長さは
\dfrac{a}{2\tan\dfrac{\pi}{n-1}}
であるから,錐の高さはピタゴラスの定理により
\dfrac{a}{2}\sqrt{\dfrac{1}{\tan^2\dfrac{\pi}{n}}-\dfrac{1}{\tan^2\dfrac{\pi}{n-1}}}
である.

一方,一辺の長さが a なる正 n-1 角形の面積は
(n-1)\cdot \dfrac{1}{2}\cdot a\cdot\dfrac{a}{2\tan\dfrac{\pi}{n}}=\dfrac{(n-1)a^2}{4\tan\dfrac{\pi}{n}}
である.

よって求める容積は
\dfrac{1}{3}\cdot \dfrac{(n-1)a^2}{4\tan\dfrac{\pi}{n}}\cdot\dfrac{a}{2}\sqrt{\dfrac{1}{\tan^2\dfrac{\pi}{n}}-\dfrac{1}{\tan^2\dfrac{\pi}{n-1}}}=\dfrac{(n-1)a^3}{24\tan\dfrac{\pi}{n}}\sqrt{\dfrac{1}{\tan^2\dfrac{\pi}{n}}-\dfrac{1}{\tan^2\dfrac{\pi}{n-1}}}
となる.

\dfrac{(n-1)a^3}{24}\cot\dfrac{\pi}{n}\sqrt{\cot^2\dfrac{\pi}{n}-\cot^2\dfrac{\pi}{n-1}}
と表すこともできる.