[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1996年(平成8年)東京大学前期-数学(理科)[3]

2024.01.14記

[3] 空間内の点 \mbox{O} を中心とする一辺の長さが l の立方体の頂点を \mbox{A}_1\mbox{A}_2,…,\mbox{A}_8とする.また,\mbox{O} を中心とする半径 r の球面を S とする.

(1) S 上のすべての点から \mbox{A}_1\mbox{A}_2,…,\mbox{A}_8 のうち少なくとも1点が見えるための必要十分条件lrで表せ.

(2) S 上のすべての点から \mbox{A}_1\mbox{A}_2,…,\mbox{A}_8 のうち少なくとも 2 点が見えるための必要十分条件lrで表せ.

ただし,S 上の点 \mbox{P} から \mbox{A}_k が見えるとは,\mbox{A}_kS の外側にあり,線分 \mbox{PA}_kS との共有点が \mbox{P} のみであることとする.

2021.01.20記
感覚的には,
(1) S に外接する立方体がギリギリ、
(2) S に外接する正四面体がギリギリ
となり,(1) r\leqq\dfrac{l}{2},(2) r\leqq\dfrac{2\sqrt{3}l}{12} と予想できる.

[解答]
球面上の点 \rm P からある頂点 {\rm A}_i がみえる必要十分条件は,球面の点 \rm P における接平面に対して,\rm O,Pが逆側(\rm P接平面上でも良い)にあることである.

(1) ある頂点と,立方体の辺としてその両隣にある2頂点を選ぶと必ず直角2等辺3角形ができる,もし,この直角2等辺三角形を含む平面,つまり立方体のある面を含む平面よりも球が外側にはみ出るとすると,球の外側の部分に立方体のある面に平行は接平面をもつ点が存在し,その点からは1つの頂点も見えないことになり,不適.

よって,球は立方体の内接球よりも内側にあることが必要である.

逆に球面上の全ての点が立方体の内部にあるとき、球面上の点における接平面は立方体の内部の点と外部の点を含むので,少なくとも立方体の表面と共有点をもち,接平面\rm O と反対側(接平面上を含む)に少なくとも1つの頂点を含むこととなり十分.

以上から,r\leqq\dfrac{l}{2} が必要十分.

(2) 2つ以上の頂点がみえるとき,立方体の辺として隣りあう2点がみえている.

ある頂点に対して,立方体の辺として隣りあう3点を選ぶと必ず正三角形ができる,もし,この正三角形を含む平面よりも球が外側にはみ出るとすると,球の外側の部分にその正三角形に平行は接平面をもつ点が存在し,その点からは1つの頂点しか見えないことになり,不適.

よって,球は立方体に内接する正四面体の内接球よりも内側にあることが必要である.

逆に球面上の全ての点が正四面体立方体の内部にあるとき、球面上の点における接平面は正四面体の内部の点と外部の点を含むので,少なくとも正四面体の表面と共有点をもち,接平面\rm O と反対側(接平面上を含む)に少なくとも1つの頂点を含むこととなる.

立方体の8頂点に対し,その4点を頂点とする正四面体と、残りの4点を頂点とする正四面体の2組正四面体を作ることができるので,それぞれの正四面体のうち少なくとも1つの頂点が見えるので,合計2つ以上の頂点が見えることとなり十分.

以上から,r\leqq\dfrac{2\sqrt{3}l}{12} が必要十分.