[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1974年(昭和49年)東京大学-数学(文科)[4]

2023.08.11記

[4] \alpha\gt 0 とし,xy 平面上において,不等式y\leqq\dfrac{-1}{\alpha^2}x^2+\dfrac{2\alpha-1}{\alpha^2}x-1+\dfrac{1}{\alpha}
をみたす点 (x,y) 全体からなる集合を A とする.A と第一象限との共通部分を B とするとき,B の面積を \alpha の関数として表わし,そのグラフを描け.

2023.08.11記

[解答]
与不等式は
y\leqq \dfrac{1}{\alpha^2}(x-(\alpha-1))(x-\alpha)
となるので,

(i) 0\lt \alpha\lt 1 のとき
B の面積は
\displaystyle\int_0^{\alpha} \dfrac{1}{\alpha^2}(x-(\alpha-1))(x-\alpha) dx
=\dfrac{1}{2}\cdot\alpha\cdot\dfrac{1-\alpha}{\alpha}+\dfrac{1}{6\alpha^2}\cdot\alpha^3
=\dfrac{1}{2}-\dfrac{\alpha}{3}
となる.

(ii) \alpha\geqq 1 のとき
B の面積は
\dfrac{1}{6\alpha^2}\cdot 1^3=\dfrac{1}{6\alpha^2}
となる.

以上を図示して次図を得る.