[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1987年(昭和62年)東京大学-数学(理科)[6]

2023.08.29記

[6] 正六角形の頂点に1から6までの番号を順につける.また n 個のサイコロを振り,出た目を番号とするすべての頂点にしるしをつけるものとする.このとき,しるしのついた三点を頂点とする直角三角形が存在する確率を p_n とする.

(1) p_3p_4 を求めよ.

(2) \displaystyle\lim_{n\to\infty}\dfrac{1}{n}\log(1-p_n) を求めよ.

2021.01.20記

[解答]
余事象を考える

1点のみ印がつく確率は \dfrac{6}{6^{n}}

ちょうど2点のみ印がつく確率は {}_6\mbox{C}_2\Bigl(\dfrac{1}{3^n}-\dfrac{2}{6^n}\Bigr)

直角3角形にならない3点のみ印がつく確率は 8\Bigl\{\dfrac{1}{2^n}-3\Bigl(\dfrac{1}{3^n}-\dfrac{2}{6^n}\Bigr)-\dfrac{3}{6^n}\Bigr\}

だから,直角3角形ができない確率は \dfrac{8}{2^n}-\dfrac{9}{3^n}となり,
p_n=1-\dfrac{8}{2^n}+\dfrac{9}{3^n} となる.

(1) p_3=\dfrac{1}{3}p_4=\dfrac{11}{18}

(2) 1-p_n=\dfrac{8}{2^n}-\dfrac{9}{3^n}=\dfrac{1}{2^n}\Bigl(8-\dfrac{9}{1.5^n}\Bigr)だから,
\dfrac{1}{n}\log (1-p_n)=-\log 2 +\dfrac{1}{n}\log\Bigl(8-\dfrac{9}{1.5^n}\Bigr)\to -\log 2
n\to\infty