2024.01.05記
(1) 円 の中心は, 点 , を通る直線上にあることを示せ.
(2) 点 , の一方は円 の内側に,他方は円 の外側にあることを示せ.
根軸
2024.04.15記
円 の中心を とし,円 に関する反転を考える.
円 は円 と直交しているので, から
円 に引いた2接線は円 上で円 に接する.
(i) 反転は等角写像である
(ii) 反転により交点は交点に,接点は接点に移る
(iii) 反転の中心を通る直線は自分自身に移る
(iv) 反転の中心を通らない円は反転の中心を通らない円に移る
という反転の性質から,円 の反転による像は円 自身となる.
同様に円 の反転による像は円 自身となる.
よって (ii) および
(v) 反転は反転円の内部と外部を入れ換える
により反転によって と は入れ換わることがわかり,(2)が示された.
このとき(iii) により直線 は自分自身に移り,かつ に移るので,
直線 と は一致し,,, は同一直線上にあることがわかり,(1)が示された.
反転の定義と方羃の定理は密接な関係があるので,以上のことは方羃の定理を用いて示すことができる.
(1) 円 の中心を とし,半径を とする.
から円 に引いた接線の接点の1つを ,
円 に引いた接線の接点の1つを とすると
である.
直線 と円 との交点をそれぞれ とすると方羃の定理により
,
であるから,
が成立し, と が一致することとなり,よってこれは である.
よって ,, は同一直線上にある.
(2)
であるから,
または
のいずれかが成立するので, 点 , の一方は円 の内側に,他方は円 の外側にある.
(1)を座標でやるならこんな感じ.(2)を座標でやるのは計算が面倒なので省略
(1) 円 を とおく.
円 は
,
すなわち
とおけ,同様に円 は
とおくことができる.
よって直線 の方程式は
となり. を通るので題意は示された.
直線 は円 の根軸と呼ばれ,
点 が円 の根軸上にあることと,点 の円 に関する方羃の値が等しいことは同値
であることが知られている.例えば
manabitimes.jp
を参照のこと.
本問(1)は「 が に直交すること」と「 の に関する方羃の値が に等しい」ことが同値であることを利用して, の円 に関する方羃の値が等しいことから, が円 の根軸上にあることを示すことになっている.