[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1960年(昭和35年)東京大学-数学(数学III)[1]

2020.10.13記

[1] 放物線 y =x^2+\dfrac{1}{4} の頂点と異なる一点における接線と法線(接点を通り,接線に垂直な直線)が x 軸と交わる点をそれぞれ \rm P,Q とするとき,線分 \rm PQ の長さの最小値を求めよ.

2020.10.13記
頑張って計算しよう

[1] f(t)=x^2+\dfrac{1}{4} とする.

頂点と異なる点の x 座標を t\neq 0 とすると,接線の式,法線の式から  \rm Px 座標は t-\dfrac{f(t)}{f'(t)} \rm Qx 座標は t+f(t)f'(t) となる.

よって {\rm PQ}=\Bigl|2t^3+t+\dfrac{1}{8t}\Bigr| となる.絶対値の中を g(t) とおくと,これは奇関数だから,t\gt 0の範囲の最小値を考えれば十分である.

普通に微分して増減表をかくと,t=\dfrac{1}{\sqrt{12}} のとき最小値\dfrac{4\sqrt{3}}{9} をとる.