[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1998年(平成10年)東京大学前期-数学(文科)[4]

2024.02.07記

[4] xyz 空間に3点 \mbox{A}(1,0,0)\mbox{B}(-1,0,0)\mbox{C}(0,\sqrt{3},0) をとる.\triangle\mbox{ABC} を1つの面とし,z\geqq 0 の部分に含まれる正四面体 \mbox{ABCD} をとる.さらに \triangle\mbox{ABD} を1つの面とし,点 \mbox{C} と異なる点 \rm E をもう1つの頂点とする正四面体 \mbox{ABDE} をとる.

(1) 点 \rm E の座標を求めよ.

(2) 正四面体 \mbox{ABDE}y\leqq0 の部分の体積を求めよ.

2021.01.11記
正四面体の2面のなす角度の余弦\dfrac{1}{3}であることはほぼ自明.

[解答]
(1) 正四面体の2面のなす角度の余弦\dfrac{1}{3}であるから,yz 平面において
\rm OD の傾きは 2\sqrt{2}である.\rm Dy 座標は \dfrac{\rm OC}{3}=\dfrac{\sqrt{3}}{3} により,{\rm D}\Bigl(0,\dfrac{\sqrt{3}}{3},\dfrac{2\sqrt{6}}{3}\Bigr)

\triangle\rm ABD の重心を \rm G とすると \vec{\rm OG}=\dfrac{1}{3}\vec{\rm OD} だから {\rm G}\Bigl(0,\dfrac{\sqrt{3}}{9},\dfrac{2\sqrt{6}}{9}\Bigr)

\rm E\rm G\rm C 中心に2倍拡大した点であるから,{\rm E}\Bigl(0,-\dfrac{7\sqrt{3}}{9},\dfrac{4\sqrt{6}}{9}\Bigr)
となる.

(2) \rm DExz 平面の交点を \rm F とすると、y 座標の比較から  \rm DF:FE=3:7 となる.よって,求める体積を V とすると
V=\dfrac{7}{10}\times(正四面体{\rm ABDE})
となる.一辺2の正四面体の体積は,一辺\sqrt{2}の立方体の体積の\dfrac{1}{3}となり,\dfrac{2\sqrt{2}}{3} だからV=\dfrac{7\sqrt{2}}{15}
となる.