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東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1999年(平成11年)東京大学前期-数学(理科)

2024.02.11記

[1] (1) 一般角 \theta に対して \sin\theta\cos\theta の定義を述べよ.

(2) (1)で述べた定義にもとづき,一般角 \alpha\betaに対して
\sin (\alpha+\beta)=\sin\alpha\cos\beta+\cos\alpha\sin\beta
\cos (\alpha+\beta)=\cos\alpha\cos\beta-\sin\alpha\sin\beta
を証明せよ.

[2] 複素数 z_nn=12,…)を
z_1=1z_{n+1}=(3+4i)z_n+1 によって定める.
ただし i虚数単位である.

(1) すべての自然数nについて
\dfrac{3\times5^{n-1}}{4}\lt |z_n|\lt \dfrac{5^n}{4}
が成り立つことを示せ.

(2) 実数 r\gt 0 に対して,|z_n| \leqq r を満たす z_n の個数を f(r) とおく.このとき,
\displaystyle\lim_{r\to+\infty} \dfrac{f(r)}{\log r}
を求めよ.

[3] p0\lt p\lt 1 を満たす実数とする.

(1) 四面体 \mbox{ABCD} の各辺はそれぞれ確率 p で電流を通すものとする.このとき,頂点 \mbox{A} から \mbox{B} に電流が流れる確率を求めよ.ただし,各辺が電流を通すか通さないかは独立で,辺以外は電流を通さないものとする.

(2) (1)で考えたような2つの四面体 \mbox{ABCD}\mbox{EFGH} を図のように頂点 \mbox{A}\mbox{E} でつないだとき,頂点 \mbox{B} から \mbox{F} に電流が流れる確率を求めよ.

[4] xyz 空間において xy 平面上に円板 A があり xz 平面上に円板 B があって以下の 2 条件を満たしているものとする.

(a) AB は原点からの距離が 1 以下の領域に含まれる.

(b) AB は一点 \mbox{P} のみを共有し,\mbox{P} はそれぞれの円周上にある.

このような円板 AB の半径の和の最大値を求めよ.ただし,円板とは円の内部と円周をあわせたものを意味する.

[5] (1) k自然数とする.mm=2^k とおくとき,0\lt n\lt m を満たすすべての整数 n について,二項係数{}_{m}\mbox{C}_{n} は偶数であることを示せ.

(2) 以下の条件を満たす自然数 m をすべて求めよ.

条件:0\leqq n\leqq m を満たすすべての整数 n について二項係数{}_{m}\mbox{C}_{n} は奇数である.

[6] \displaystyle\int_{0}^{\pi}\, e^x {\sin}^2x \,dx\gt 8 であることを示せ.ただし,\pi=3.14… は円周率,e=2.71…自然対数の底である.


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