[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2000年(平成12年)東京大学後期-数学

2024.02.12記

[1] kを正整数とし,xを変数とするk多項式P_k(x)について次の条件
(C) \left\{\begin{array}{l}P_k(x)-P_k(x-1)=x^{k-1} \\
P_k(0)=0\end{array}\right.
を考える.ただし,x^0=1と定める.このとき,次の問に答えよ.

(1) k=12 に対し,P_k(x) を求めよ.

(2) すべての k\geqq 3 に対し,条件(C)を満たす P_k(x) が存在し,しかもただ一つであることを示せ.

(3) 正整数 k に対し,k 次の多項式 Q_k(x)
を次の条件が成立するように定める.

\left\{\begin{array}{l}
Q_k(0)=Q_k(1)=…=Q_k(k-1)=0 \\ 
Q_k(k)=1 \end{array} \right.

このとき,k 個の整数c_1c_2,…,c_kがそれぞれただ一つ存在して P_k(x)=\displaystyle\sum_{j=1}^{k} c_jQ_j(x) と表されることを示せ.

[2] 正整数lを与える.各正整数nに対して,関数y=x^l\sin nx0\leqq x\leqq 2\piのグラフとx軸で囲まれる図形をC_nとする.

(1) C_nx 軸のまわりに回転させてできる回転体の体積を V_n とするとき,極限値 \displaystyle\lim_{n\to\infty} V_n を求めよ.

(2) C_ny 軸のまわりに回転させてできる回転体の体積を W_n とするとき,極限値 \displaystyle\lim_{n\to\infty} W_n を求めよ.

[3] 背番号1から5までを順に付けた5人が,何も置かれていないテーブルに向かっている.最初5人は各自3枚のコインを持っている.それを背番号順に必ず 1 枚または 2 枚テーブルの上に置いてゆく.ただし,手もとに 2 枚以上のコインがあるときに 1 枚だけコインを置く確率を p とし,p は人によらず一定とする.

背番号 5 の人が置き終わったところ(一巡目が終わったところ)で,再び背番号 1 の人から順に手もとに残ったコインをテーブルに置いてゆく.

(1) 一巡目が終わったとき,テーブルの上に 7 枚のコインが置かれている確率 Q を求めよ.また,その Q を最大にする p の値と,そのときの Q の値を求めよ.

(2) 一巡目を終えるとき,背番号 5 の人が,テーブル上に 7 枚目のコインを置く確率 R を求めよ.また,その R を最大にする p の値を求めよ.

(3) 二巡目が終わったときのテーブルの上のコインの数の期待値を求めよ.

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