[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2012年(平成24年)東京大学前期-数学(文科)[4]

2022.03.15記

[解答]

(1) (s,t) は下に凸な放物線の下にあり,この点から放物線 y=x^2+1 (x^2の係数が1)への y 軸に平行な直線に沿う距離は s^2-t+1 であるから,2つの接線の接点は
s\pm\sqrt{s^2-t+1} となり,接線の傾きは 2(s\pm \sqrt{s^2-t+1}) である.

よって求める接線の方程式は
y=2(s\pm\sqrt{s^2-t+1})(x-s)+t
である.

(2) C\ell_1,\ell_2 で囲まれる部分の面積SS=\dfrac{1}{12}(2\sqrt{s^2-t+1})^3=\dfrac{2}{3}(\sqrt{s^2-t+1})^3 である.

いま t\lt 0 から s^2-t+1\gt s^2+1\geqq 1 となるので S\gt\dfrac{2}{3} であるから

(i) 0\lt a\leqq\dfrac{2}{3} のとき:
(s,t) は存在しない.

(ii) \dfrac{2}{3}\gt a のとき:
t=s^2+1-\left(\dfrac{3a}{2}\right)^{2/3} かつ |s|\lt \sqrt{\left(\dfrac{3a}{2}\right)^{2/3}-1}
をみたすすべての(s,t)

となる.