[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2014年(平成26年)東京大学前期-数学(理科)[3]

2022.03.07記
\displaystyle\int_0^{\pi/2} \sin^2\theta d\theta=\displaystyle\int_0^{\pi/2} \cos^2\theta d\theta=\dfrac{\pi}{4}

\displaystyle\int_0^{\pi/2} \sin^2 2\theta d\theta=\displaystyle\int_0^{\pi/2} \cos^2 2\theta d\theta=\dfrac{\pi}{4}
は常識.

[解答]

(1) 共有点の x 座標は 2x^2-2ux+u^2+u-1=0 の解だから,この判別式が正または0となれば良く,
4u^2-8(u^2+u-1)\geqq 0 つまり u^2+2u-2\leqq 0
よって -1-\sqrt{3}\leqq u\leqq -1+\sqrt{3} となり,
a=-1-\sqrt{3},b=-1+\sqrt{3} となる.

(2) y_1=-x_1^2+1y_2=-x_2^2+1 により
2|x_1y_2-x_2y_1|=2|(x_1-x_2)(x_1x_2+1)|
となる.解と係数の関係から x_1+x_2=ux_1x_2=\dfrac{u^2+u-1}{2} であるから,
(x_1-x_2)^2=(x_1+x_2)^2-4x_1x_2=-u^2-2u+2(これは正または0の値) に注意すると
2|x_1y_2-x_2y_1|=|\sqrt{-u^2-2u+2}(u^2+u+1)|
となる.

(3) I=\displaystyle\int_a^b\sqrt{3-(u+1)^2}\{(u+1)^2-(u+1)+1\}du
であるから,u+1=\sqrt{3}\sin\theta と置換すると,du=\sqrt{3}\cos\theta d\theta により
I=\displaystyle\int_{-\pi/2}^{\pi/2}\sqrt{3}\cos\theta\{3\sin^2\theta-\sqrt{3}\sin\theta+1\}\sqrt{3}\cos\theta d\theta
=\displaystyle\int_{-\pi/2}^{\pi/2}\left\{ \dfrac{9}{4}\sin^2 2\theta-3\sqrt{3}\cos^2\theta\sin\theta+3\cos^2\theta\right\}d\theta
=\dfrac{9}{4}\cdot\dfrac{\pi}{2}+0+3\cdot\dfrac{\pi}{2}=\dfrac{21}{8}\pi
となる.