[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2022年(令和4年)東京大学-数学(理科)

2022.02.25記

[1] 次の関数 f(x) を考える。
f(x)=(\cos x)\log(\cos x)-\cos x+\displaystyle\int_{0}^{x} (\cos t)\log(\cos t) dt\left(0\leqq x\lt\dfrac{\pi}{2}\right)

(1) f(x)区間 0\leqq x\lt\dfrac{\pi}{2} において最小値を持つことを示せ。

(2) f(x)区間 0\leqq x\lt\dfrac{\pi}{2} において最小値を求めよ。

[2] 数列 \{a_n\} を次のように定める。
a_1=1a_{n+1}=a_n^2+1n=1,2,3,\cdots\cdots

(1) 正の整数 n が3の倍数のとき,a_n は 5 の倍数となることを示せ。

(2) k,n を正の整数とする。a_na_k の倍数となるための必要十分条件k,n を用いて表せ。

(3) a_{2022}(a_{8901})^2 の最大公約数を求めよ。

[3] \rm O を原点とする座標平面上で考える。 座標平面上の2 点 {\rm S}(x_1,y_1){\rm T}(x_2,y_2) に対し,点\rm Sが点 \rm Tから十分離れているとは,
|x_1-x_2|\geqq 1 または|y_1-y_2|\geqq 1
が成り立つことと定義する。

不等式 0\leqq x\leqq 30\leqq y\leqq 3 が表す正方形の領域を D とし,その2つの頂点 {\rm A}(3,0){\rm B}(3,3) を考える。 さらに,次の条件(i),(ii)をともに満たす点 \rm P をとる。

(i) 点 \rm P は領域 D の点であり,かつ,放物線 y=x^2 上にある。

(ii) 点 \rm P は, 3点\rm O,A,B のいずれからも十分離れている。

\rm Px 座標を a とする。

(1) a のとりうる値の範囲を求めよ。

(2) 次の条件(iii),(iv)をともに満たす点\rm Q が存在しうる範囲の面積 f(a) を求めよ。

(iii) 点\rm Qは領域Dの点である。

(iv) 点\rm Qは, 4点\rm O,A,B,Pのいずれからも十分離れている。

(3) a は (1) で求めた範囲を動くとする。(2) の f(a) を最小にする a の値を求めよ。

[4] 座標平面上の曲線
C:y=x^3-x を考える。

(1) 座標平面上のすべての点 \rm P が次の条件(i)を満たすことを示せ。

(i) 点 \rm P を通る直線 \ell で, 曲線 C と相異なる3点で交わるものが存在する。

(2) 次の条件(ii)を満たす点 \rm P のとりうる範囲を座標平面上に図示せよ。

(ii) 点 \rm P を通る直線 \ell で, 曲線 C と相異なる3点で交わり, かつ, 直線 l と曲線 C で囲まれた2つの部分の面積が等しくなるものが存在する。

[5] 座標空間内の点 {\rm A}(0,0,2) と点 {\rm B}(1,0,1) を結ぶ線分 \rm ABz 軸のまわりに1回転させて得られる曲面を S とする。S 上の点 \rm Pxy 平面上の点 \rm Q \rm PQ=2 を満たしながら動くとき,線分 \rm PQ の中点 \rm M が通過しうる範囲を K とする。K の体積を求めよ。

[6] \rm O を原点とする座標平面上で考える。0 以上の整数 k に対して,ベクトル \vec{v_k}
\vec{v_k}=\left(\cos\dfrac{2k\pi}{3},\sin\dfrac{2k\pi}{3}\right)
と定める。投げたとき表と裏がどちらも \dfrac{1}{2} の確率で出るコインを N 回投げて,座標平面上に点  {\rm X}_{0} {\rm X}_{1} {\rm X}_{2},……, {\rm X}_{N} を以下の規則 (i),(ii) に従って定める。

(i)  {\rm X}_{0} {\rm O} にある。

(ii) n1 以上 N 以下の整数とする。  {\rm X}_{n-1} が定まったとし,  {\rm X}_{n} を次のように定める。

n 回目のコイン投げで表が出た場合,
\vec{{\rm OX}_n}=\vec{{\rm OX}_{n-1}}+\vec{v_k}
により  {\rm X}_n を定める。 ただし,k は1回目から n 回目までのコイン投げで裏が出た回数とする。

n 回目のコイン投げで裏が出た場合, {\rm X}_n {\rm X}_{n-1} と定める。

(1) N = 8 とする。{\rm X}_8\rm O にある確率を求めよ。

(2) N = 200 とする。{\rm X}_{200}\rm O にあり,かつ,合計200回のコイン投げで表がちょうど r 回出る確率を p_r とおく。ただし 0\leqq r\leqq 200 である。p_r を求めよ。また p_r が最大となる r の値を求めよ。

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