[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2020年(令和2年)京都大学数学(文系)[3]

aを奇数とし,整数m, \, nに対して, f(m, \, n)=mn^2+am^2+n^2+8 とおく.f(m, \, n)が16で割り切れるような整数の組(m, \, n)が存在するためのaの条件を求めよ.

2020.03.04記

[解答]

f(m,n)=mn^2+am^2+n^2+8が16で割り切れるためには、f(m,n) は偶数である必要がある。

一般に2乗しても偶奇は変わらないこと,及び a が奇数であることから
f(m,n)=mn^2+am^2+n^2+8\equiv mn+m+n=(m+1)(n+1)-1(\mbox{mod}\, 2) が偶数となるには、m,\, nはともに偶数でなければならない。

m=2p ,\, n=2q とおくと、f(m,n)=8pq^2+4ap^2+4q^2+8 となるので、
g(p,q)=2pq^2+ap^2+q^2+2
が4の倍数となれば良く、そのためには g(p,q) が偶数である必要がある。

一般に2乗しても偶奇は変わらないこと及び a が奇数であることから
g(p,q)=2pq^2+ap^2+q^2+2\equiv p+q(\mbox{mod}\, 2)
が偶数となるには、p,\,q の偶奇が同じである必要がある。

(i) p,qがともに偶数のとき

p=2s,\,q=2tとおくと、p^2\equiv q^2 \equiv 0 (mod 4)だから
g(p,q)=2pq^2+ap^2+q^2+2\equiv 2(\mbox{mod}\, 4)
は4では割り切れないので解は存在しない。

(i) p,qがともに奇数のとき

p=2s-1,\,q=2t-1とおくと、p^2\equiv q^2 \equiv 1 (mod 4)だから
g(p,q)=2pq^2+ap^2+q^2+2
\equiv 2p+a+3=4s+a+1\equiv a+1
が4で割り切れるためには、aを4で割った余りが3であることが必要十分。