2019.01.11記
解説:を2つの数の和に分解したとき、足し算に繰り上がりが生じる最小のを求めれば良い。そのためには、の計算結果が必要となるので、求める答はである。
なお、の最小性を考えると、 において、が奇数で の分子に偶数が残るような最小のを求めれば良いことを利用すれば、先程の判定方法を使わなくても解くことができる。(は奇数)とおくと、だから の分子に偶数が残るのはであり、このときが最小になるのはのときである。よってとしても良いだろう。
似たようなページを探したら、このようなページがありました。
sky-time-math.hatenablog.jp
なので、が2で何回割り切れるかについてそのうち考えよう。
(2019.1.12追記)
二項係数は2で何回割れるか - 球面倶楽部 零八式 mark II
により、が1から31までのとき、 XOR であるから、
に対して XOR XOR となるので、は奇数であることがわかる。
2020.10.18記
何か動画で「東大2015独自解法」で同じ解法があったけど、この解法、それほど珍しくないので、独自っていうのはどうかと思うんだけど。
二項係数の偶奇(解決編) - 球面倶楽部 零八式 mark II
二項係数の偶奇 - 球面倶楽部 零八式 mark II
二項係数が素数 p で割り切れない条件 - 球面倶楽部 零八式 mark II
素数 p で割り切れない二項係数の個数 - 球面倶楽部 零八式 mark II
でも触れたけど、
大学への数学2001年2月号に雲幸一郎さんの「素数で何回割り切れるか」という記事にクンマーの定理とは書いていないが,
「p進展開で a+b を計算するときに"繰り上がり"が何回起こるかで決まります。」
と書いてある.まぁ、雲Kが書いていたことはすっかり忘れていて、2020年7月に別の記事を参照するために大学への数学2001年2月号を見直したら、たまたま載っていて思い出したのだが、これを利用する問題はそこそこ出題されている.
2009年(平成21年)東京大学前期-数学(理科)[1] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
1999年(平成11年)東京大学前期-数学(理科)[5] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
1997年(平成9年)京都大学前期-数学(理系)[2] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
など
2021.03.23記
ちょっと解答っぽく整理しておく.
クンマーの定理により, を2つの数の和に分解したとき,足し算に繰り上がりが生じる最小の を求めれば良い.繰り上がりを生じさせるためには の計算結果が必要となるので、求める答は である.
普通に解くなら次のようになる.
であるから, を既約分数で表現したときに分母に偶数が残るような最小の を求めれば良い.
とおくと だから となる.
のとき, であるから
は偶数となり, は奇数となるので, は分子も分母も奇数の既約分数となるので, の計算に偶数は登場しないので,計算結果も奇数である.つまり,
,…, は奇数である.
次に のとき,, であるから
は偶数となるので,
は偶数である.
以上から求める は である.
このあたりの議論をより丁寧に説明させたのが,
2021年(令和3年)東京大学-数学(理科)[4] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
である.