[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2020年(令和2年)京都大学数学(文系)[2]

xの2次関数で,そのグラフがy=x^2のグラフと2点で直交するようなものをすべて求めよ.ただし,2つの関数のグラフがある点で直交するとは,その点が2つのグラフの共有点であり,かつ接線どうしが直交することをいう.

2020.03.04記

[解答]

f(x)=x^2とし、求める2次関数をy=g(x)=px^2+qx+r(p\neq 0)とするとg(x)=f(x)が2つの実数解をもつので、p\neq 1が必要である.

このとき、2つの解を\alpha,\beta(\alpha\neq\beta)とおくと
g(x)-f(x)=(p-1)(x-\alpha)(x-\beta)
因数分解でき、
f'(\alpha)g'(\alpha)+1=f'(\beta)g'(\beta)+1=0
となる。よって
f'(x)g'(x)+1=2x(2px+q)+1=\dfrac{4p}{p-1}\{g(x)-f(x)\} =\dfrac{4p}{p-1}\{(p-1)x^2+qx+r\}
が成立する。係数比較により
2q=\dfrac{4pq}{p-1},\, 1=\dfrac{4pr}{p-1}
が成立する。

(1) q=0 のとき、
r=\dfrac{p-1}{4p}だから y=px^2+\dfrac{p-1}{4p} となる.
g(x)-f(x)の判別式を考えて p<0


(2) q\neq 0 のとき、
p=-1, r=\dfrac{1}{2} だから y=-x^2+qx+\dfrac{1}{2} となる.
g(x)-f(x)の判別式を考えてqは任意の実数