2022.05.21記
[1] 靜水ノ上ナラバ一時間三里走ル小蒸滊船ガ一時間一里流ルヽ川ナラバ十六里往復センニハ幾時間ヲ要スヤ
[2] 坪三圓ナル長方形ノ宅地アリ其間口八間ニシテ價ハ百四十四圓ナリ此奥行幾何
[3] 或人所有地ノ四分ノ三ニ其六分ノ五ヲ加ヘタルモノハ所有地ノ三分ノ二ヨリ多キヿ五反ナリトイフ問此所有地ノ反別幾何
[4] 金三圓九十錢ヲ以テ一斤ニ付三十錢ト五十錢トノ藥種合シテ十一斤ヲ買入レントス各幾斤ヅツナルヤ
[5] 平地ニ於テ八尺ノ直立竿ガ一丈五尺ノ影ヲ映スルニ至テ十三間半ノ影ヲ映スル直立樹アリ其影端ヨリ樹梢ニ至ル距離幾何ナルヤ且問フ此樹ノ長サ如何
2022.05.22記
[1] 靜水の上なら一時間に三里走る小蒸滊船が一時間に一里の速さで流れる川を十六里往復するのにかかる時間を求めよ.
[2] 坪3圓である長方形の宅地がある.その間口が8間で價が844圓であるとき、奥行はどれくらいか.
(1辺の長さが1間である正方形の面積は1坪)
[3] ある人の所有地のに,その を加えたものは所有地の よりも5反広いという.この土地は何反あるか.
[4] 金3圓90錢で1斤あたり30錢と50錢の藥をあわせて11斤を買ったとするとき,それぞれ何斤ずつ買ったか.
[5] 平地において8尺の直立竿が1丈5尺の影を映すとき,13.5間の影を映す直立樹の影端から樹梢(樹の先端)までの距離および樹の高さはいくらか.
(1間=6尺、1丈=10尺)
[1] 時間
[2] 長方形の土地の広さは 坪で、間口が8間であるから,奥行は 間
[3] が5反であるから,所有地の広さは
反
(1反=10畝,1畝=30歩)
[4] 全部安い方を買ったとしたら、3円30銭であるから,差額60銭を20銭で割った3斤が高い一斤50銭の藥、残り8斤が安い一斤30銭の藥
[5] 樹の高さは
ピタゴラスの定理から直立竿の影端と竿頭の距離はだから,
樹の影端から樹梢までの距離は
なお,当時はピサゴラス(Pythagoras)の定理と呼んでいたようだ.