2019.03.08記入
[2]八千四百六十萬四千五百十九ノ立法積ヲ問フ
[3]Abstract and concrete number ヲ解明セヨ
[4]赤封蝋ハ油四分朱六分膠蝋六分白堊一分を以テ成ル問フ封蝋十二磅ハ各品幾何磅ヲ含有スルヤ
試験課目は
反譯、譯讀講義、分典、筭術、代數學、幾何學、漢學
東京大学予備門本黌の明治16年の学暦は、9月11日第一学期開始。
代数学の教科書はトドハンター。平面幾何学の教科書はライト。立体幾何学の教科書はウヰルソン。
[1] は合略仮名で「トキ」とよむ。
[2]立法積は体積のことだが、ここでは三乗根と解釈すべきだろう。
[3] abstract number は無名数、concrete number は名数と訳される。
[4] 封蝋の原料は良く知らないし、膠蝋は良くわからなかった。膠(にかわ)は知っているけど。白堊はチョークと呼ばれる石灰岩のこと。白堊紀の白堊である。現在は白亜と畫く。磅はポンド。分(ぶ)は重さの単位でg。
[2] の三乗根を求めよ。
[3]無名数と名数について説明せよ。
[4]赤封蝋は油が四分、朱が六分、膠蝋が六分、石灰岩が一分の割合で作られる。封蝋十二ポンドにはそれぞれどれくらい含有されているか。
[1]が泥の中で、が水の中で、尺が水上にあるので、が尺となり、柱の長さは尺となる。
[2] 求める数をとすると、だから、は3桁の数で百の位はである。また3乗して1の位がになる数の1の位はである。
よって、という3桁の数になる。は3の倍数ではないので、のいずれかで、順番に試してみると(虚数は習ってないと思われるので実数解だけで良いだろう)となることがわかる。ちなみには素数なので素因数分解しようと思ったらハマる。
[3] 無名数とは数詞や単位がつかない数のことで、名数とは数詞や単位がついた数のことである。
[4] 比例配分すれば良いので、油磅、朱磅、膠蝋磅、白堊磅となる。当時は適当な桁の小数に直していたのかどうかは知りません。
「筭」はそろばんのことで「算」の異体字。「筭シタル」は「さんしたる」と読み、「数える」、「計算する」という意味。
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2019.05.13記
[2] そう言えば、立方根を求める開立法という筆算というのがあったのを思い出した。当時としては筆算で開立をする方が自然だったな。
でも開立法は面倒なのでニュートン法でやる方が良い気がする。もちろん、開立の原理はニュートン法なのだが。
という3次方程式をという1次方程式で近似して
となることを使う。
と区切ってだが、とりあえず上から評価しようと思うことにして
としてから始める。すると
となる。
次にとすると
となる。
次にとすると
となる。
これならもう、でいいんじゃね?
2020.11.03記
筭術ハロビンソン應用(プラクテカル)筭術書終リマデヲ用エ代數學ハトードホンタル小代數書(一次方程式迄)ヲ用エ幾何学ハロビンソン幾何学書(第三篇マテ)ヲ用エ...
とのことである.