[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1933年(昭和8年)東京帝國大學醫學部醫學科-數學[1]

2022.08.10記

[1] 周圍ノ長サガ一定ナル正多角形ニ於テハ,邊數ノ多キモノ程大ナル面積ヲ有スルコトヲ證明セヨ.

2022.08.11記

[解答]
周の長さが 1 である正 n 角形の面積は
n\times \dfrac{1}{2}\cdot \dfrac{1}{2n\sin\dfrac{\pi}{n}}\cdot \dfrac{1}{2n\sin\dfrac{\pi}{n}}\sin\sin\dfrac{2\pi}{n}=\dfrac{1}{4n\tan\dfrac{\pi}{n}}
であるから,
n\tan\dfrac{\pi}{n}
n について減少であることを示せば良い.そのためには x=\dfrac{\pi}{n} とおいた
f(x)=\pi\dfrac{\tan x}{x}x\gt 0 で増加であることを示せば良い.ここで x はとびとびの値しかとらないが,x の連続関数と考えて増加であることを示せば十分である.ここで
f'(x)=\pi \dfrac{x-\sin x}{x^2\cos^2 x}\gt 0
であるから,題意は示された.