次の条件によって定められる数列 がある.
以下の問いに答えよ。
(1) 以上の自然数 に対して, が成り立つことを示せ。
(2) 以上の自然数 は,数列 の互いに異なる 個()の項の和で表されることを,数学的帰納法によって示せ.
(3) (2) における項の個数 は, を満たすことを示せ.
2021.01.08記
自然数のフィボナッチ表現(ゼッケンドルフ表示)。
自然数のフィボナッチ表現は2倍取りゲームやワイトホフの2山崩しの必勝法を説明するときに登場する.
ただ、本問は正確にはフィボナッチ表現ではない.例えば、 のフィボナッチ表現は であるが、本問 (2) においては、
のように一意性をみたさないからである.
以下、解答例を載せておくが、 であることから、細かい議論(工夫)が必要になってくる.
(2) (a) のとき、 より成立する.
(b) について成立すると仮定する.
このとき により、 なる が存在するので,
のとき、 が成立する.
のとき, () と異なる2個の項の和で表現できる.
となりうるのは 、つまり のときであり,この場合は、仮定より、 から のうちの少くとも2つの和で表現できるので, は3個以上の項の和で表現できる.
以上から、 のときも題意は成立するので、よって数学的帰納法により,2以上の任意の自然数 について題意は成立する.
(3) を示せば良い.
ここで, をみたすとき, は のうちの2個以上 個以下の和で表すことができるので、 を示せば良い.
(a) が2以上の偶数 のとき より成立.
(b) が3以上の奇数 のとき より成立.
よって題意は成立する.
あんまり美しくないので、そのうち改良したい.
2022.10.22記
2倍取りゲームについては
数学談話室 倍取りゲーム(pdf)
石取りゲームとFibonacci数
あたりを参照すれば良いだろう.