[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2020年(令和2年)九州大学後期数学[2]

[2]

自然数 n に対して定まる関数 f_n(x)=1-\sqrt5|\sin(2n\pi x)| について,以下の問いに答えよ.

(1) 任意の実数 x に対して f_n(x)=f_n\Bigl(x+\dfrac{k}{2n}\Bigr)(k=1,2,\cdots,2n) が成り立つことを示せ.

(2) 区間 \Bigl(\dfrac{k-1}{2n},\dfrac{k}{2n}\Bigr)(k=1,2,\cdots,2n) において f_n(x)=0 は相異なる2つの解を持つことを示せ.

(3) 区間 [0,1] における方程式 f_n(x)=0 のすべての解の和を S_n とおくとき,極限 \displaystyle\lim_{n\to\infty}\dfrac{S_n}{n} を求めよ.

2020.03.13記

[解答]

(1) \sin\left\{2n\pi\left(x+\dfrac{k}{2n}\right)\right\}=\sin(2n\pi x) より
f_n(x)=f_n\Bigl(x+\dfrac{k}{2n}\Bigr)(k=1,2,\cdots,2n) が言える。

(2) f\left(\dfrac{k-1}{2n}\right) =1\gt 0, \, f\left(\dfrac{2k-1}{4n}\right) =1 -\sqrt{5}\lt 0でこの範囲で単調減少だから、この範囲に解は唯一。
f\left(\dfrac{2k-1}{4n}\right) =1 -\sqrt{5} \lt 0, \, f\left(\dfrac{k}{2n}\right) =1\gt 0でこの範囲で単調増加であるから、この範囲に解は唯一。
よって題意は言える。

(3) f_n(x)のグラフはx=\dfrac{1}{2} について対称だから、f(x)=0の解の平均値 \dfrac{S_n}{n} は 1/2 となる. ​

ちなみに, f(x)の周期は\dfrac{1}{2n}であり、1周期あたり f(x)=0の解の個数は2個だから、 f(x)=0の解の個数は4n個。