[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1942年(昭和17年)東京帝國大學(春入學)工學部-數學[1]

2020.05.20記

[1] 圓内にとった任意の三點が同一圓内にある確率を求めよ.

2020.05.20記
どのように円内の点が選ばれるかを決めなければ確率は一意に定まらないので、ここでは、円内のある領域の点が選ばれる確率は、その領域の面積に比例すると考える。その場合、各点の偏角は一様分布をする。

[解答]
題意をみたす事象をXとする。

3点を\rm A,B,Cとする。\rm A偏角を0として良い。\rm B偏角の絶対値を\omega0\leqq \omega\leqq \pi)として良く、扇形の面積は中心角に比例するので、\omegaは一様分布に従う。つまり P(\omega)=\dfrac{1}{\pi} となる。

このとき \rm C偏角 \theta の範囲は \omega-\pi \leqq \theta\leqq \pi をみたす中心角 2\pi-\omega の扇形の内部となるので、P(X\,|\,\omega)= \dfrac{2\pi-\omega}{2\pi}が成立する。

よって求める確率は
P(X)=\displaystyle\int P(X\,|\,\omega)P(\omega)\,d\omega=\displaystyle\int_0^\pi \dfrac{2\pi-\omega}{2\pi}\cdot\dfrac{1}{\pi}\, d\omega=\dfrac{3}{4}となる。