[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1947年(昭和22年)東京帝國大學理學部-數學[2]

2022.07.16記

[2] 一つの矩形の四頂點を過る二次曲線は,この矩形と中心を共有する有心二次曲線なることを説明せよ.

2022.07.16記

[解答]
平行移動と回転により矩形の4頂点の座標を(\pm p.\pm q)(p,q\neq 0,複号任意)として良く,このとき矩形の中心は原点である.

二次曲線を
ax^2+2hxy+by^2+cx+dy+e=0
とおくと
ap^2+2hpq+bq^2+cp+dq+e=0…(i),
ap^2+2hpq+bq^2-cp-dq+e=0…(ii),
ap^2-2hpq+bq^2-cp+dq+e=0…(iii),
ap^2-2hpq+bq^2+cp-dq+e=0…(iv)
が成立する.
(i),(ii) より
ap^2+2hpq+bq^2+e=0cp+dq=0
(iii),(iv) より
ap^2-2hpq+bq^2+e=0cp-dq=0
であるから,結局
ap^2+bq^2+e=02hpq=cp=dq=0
となり,p\neq 0,q\neq 0 より
2h=c=d=0
であるから,矩形の4頂点を通る二次曲線は
ax^2+by^2+e=0
の形であり,これは原点対称であるから,それは有心2次曲線である.