[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1948年(昭和23年)東京大学医学部医学科-数学[3]

2020.04.03記

[3] 三箇ノ變數  x y u 間ニ  F(u)=f(x)+g(y) ナル關係アルトキ之を表ワス計算尺ヲ工夫セヨ.

2020.04.03記
問題文がおかしかったが、文献が1つだけなので比較できず妥当な問題文  f(u)=f(x)+g(y) に変更した。これが正しい問題文とは限らないことに注意しておく。

 f,\,g は狭義単調であるとする。 U=f(u),\,X=f(x),\,Y=g(y) とすると、U=X+Y となるから、一方の尺に長さ f で目盛を刻み、もう一方の尺に0(基点と呼ぶことにする)を設け、基点から長さ g で目盛を刻む。

このとき、f の尺のxg の尺の 基点を合せて、g の尺の y と合う f の尺の場所が u なる。

2020.04.06記
 f,\,g,\,F は狭義単調であるとする。

まず、計算図表において、3本の平行線を等間隔に引き、左側の線に  f(x) で目盛を刻み、右側の線に g(y) で目盛を刻むと、  f(x) g(y) の中点には \dfrac{f(x)+g(y)}{2} が対応するので、真ん中の線に \dfrac{F(u)}{2} を刻めば、左側の線の  x と右側の線  y を結ぶ直線と真ん中の線の交点が、u として得られることがわかる。

この計算図表だと、求める軸が内分点となるので、計算尺としては使いにくいので、外分点で表現することを考える。

[別解]
 f,\,g,\,F は狭義単調であるとする。
3本の平行線を等間隔に引き、左側の線に  f(x) で目盛を刻み、真ん中の線に  -\dfrac{g(y)}{2} で目盛を刻むと、右側の線には、-f(x)-g(x) が対応するので、右側真ん中の線に -F(u) を刻めば、左側の線の  x と真ん中の線  y を結ぶ直線と右側の線の交点が、u として得られることがわかる。

これを計算尺で表現する(平行線は横向きの直線であると考える)

1本目の尺の上側に f(x) で目盛を刻み、下側に普通の定規の目盛をつける

2本目の尺の上下に普通の定規の目盛を 0 が同じ場所にくるようにつけ、真ん中に  -\dfrac{g(y)}{2} で目盛を刻む

3本目の尺の上側に普通の定規の目盛をつけ、下側に  -F(u) で目盛を刻む。

ここで、3本の尺の普通の定規の目盛の0をカーソル線にあわせたときに  F(u)=f(x)+g(y) の関係があるように尺の上側の目盛を刻んでおくものとする。

この計算尺を用いて計算する方法は、

1. カーソル線で、1本目の尺の上側の x と 2本目の尺の上側の y をあわせる。

2. このとき、1本目の尺の下側の 0 に対応する2本目の尺の上側の数字を読みとり、それを a とする(負の数になることもある)

3. 2本目の尺の下側の 0 に3本目の尺の上側の a をあわせる。

4. カーソル線で、3本目の尺の下側の数字 u を読みとる。

と、ここまで書いてみて思ったが、カーソル線を使うのであれば、わざわざ外分にしなくても、内分のままでもできなくもない。ただその場合、外分のときに用いた普通の定規で対応する数字の読みとりが、少々面倒になる(外分なので2つの定規で対応する数字が隣り合うが、内分の場合は離れてしまうので、カーソル線上の数字を読みとって引き算をしなければならなくなる)。